黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)菌血症の検査および治療における造影法:先端的な画像処理技術の役割
Imaging in the investigation and management of Staphylococcus aureus bacteraemia: a role for advanced imaging techniques
A.L. Goodman*, G.J. Cook, V. Goh
*MRC Clinical Trials Unit, UK
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 234-241
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)菌血症(SAB)は、英国では毎年約 25,000 例の患者が罹患しており、90 日時点の粗死亡率は 30%と高い。迅速な感染源制御は敗血症および SAB のアウトカムを改善し、このことは敗血症のガイドラインにも記載されている。SAB に対する補助的な抗菌薬治療に関する最近の臨床試験では、SAB 再発の大多数が、感染源管理の不備と関連していることが確認された。この状況では、感染源を制御する能力が、感染巣の検出能によって制限されている可能性がある。心エコー像は今や、予測できない感染性疣贅の形成における未知の病巣を検出するツールとしてルーチンに使用されている。別の方法では見落とされる可能性のある病巣を検出する先端的な画像処理技術([18F]フルオロデオキシグルコース陽電子放射断層撮影/コンピュータ断層撮影[18F-FDG PET/CT]および磁気共鳴画像法[全身 MRI を含む])の有用性を調査するために文献をレビューした。未知の病巣は死亡率の上昇と関連するが、本稿では、病巣の検出の向上により感染源制御を改善することができ、結果としてSAB の転帰が改善されることを提示する。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
菌血症にいたる原因検索を血液培養検査だけで終わらせないで、侵襲性の少ない感染性疣贅のスクリーニングを行うことは治療予後に影響するために重要である。
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