大腸手術患者におけるケアバンドルの導入は、患者報告による手術部位感染症を効果的かつ持続的に減らす
Introduction of a care bundle effectively and sustainably reduces patient-reported surgical site infection in patients undergoing colorectal surgery
H.F. Dean*, E. King, D. Gane, D. Hocking, J. Rogers, A. Pullyblank
*North Bristol NHS Trust, UK
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 156-161
背景
手術部位感染症(SSI)は、もっとも頻度の高い医療関連感染症の 1 つであり、とくに大腸手術後によくみられる。SSI は患者の罹病率および医療費の増加と関連する。退院後、とくに強化回復プログラムが実施される場合、SSI が発生することが多いので、そのモニタリングは困難である。
目的
大腸切除術を受けた患者において、患者報告による 30 日 SSI の効果的な評価法を開発すること。SSI 低減の維持を果たせる新たなケアバンドルを実施すること。
方法
Public Health England の SSI サーベイランス質問票を用いた。郵送および電話によるシステムなどいくつかのデータ収集法について試験した。4 つのエビデンスに基づく介入(2%クロルヘキシジンによる皮膚処置、手術に 4 時間を要した場合の抗菌薬反復投与、二重リング創縁保護、創縫合におけるトリクロサンコーティング縫合糸)を組み込んだ新たな SSI バンドルを当施設に導入した。システムの変更を導入し、その変更が持続可能であることを確認した。
結果
患者報告による SSI のもっとも信頼できる評価法は、郵送による質問票と非回答者に対する電話連絡であることが確認された。SSI サーベイランス質問票に対する回答率は、常に 75%を超えた。新たなケアバンドルの導入は、SSI 発生率を 20%から 10%へと有意に低下させ(P ≦ 0.0001)、これは 6 年間維持されている。
結論
患者報告による 30 日 SSI 発生率の信頼できる評価法について示した。この新たなケアバンドルの導入は、SSI 発生率を 20%から 10%に半減させた。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
大腸手術患者におけるケアバンドルの導入と患者報告による SSI の評価法について検討した論文である。退院後は、電話でのフォローアップを行い、電話での情報収集ができなかった場合は郵便で確認することで、75%を越える追跡率を保っていることは、素晴らしい成績である。
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