教育的な話による介入が面会者の手指衛生遵守を改善しうるか?

2020.04.28

Can educational speech intervention improve visitors’hand hygiene compliance?


S. El Marjiya Villarreal*, S. Khan, M. Oduwole, E. Sutanto, K. Vleck, M. Katz, W.B. Greenough
*Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health, USA
Journal of Hospital Infection (2020) 104, 414-418

 

背景
簡易で安価な方法である手指衛生は、医療関連感染症(HAI)に関連する負荷を軽減する主要な介入であり続けている。職員の手指衛生遵守を改善するために多くの介入が検証されているが、病院の面会者の遵守率は相変わらず低く、このことが HAI のリスクおよび院内や市中への耐性菌伝播のリスクを高めている。

目的
病院の面会者における手指衛生遵守率の向上を目的とした教育的な話による介入の有効性を評価すること。

方法
本介入研究は、大規模大学病院の入院病棟において 2019 年 3 月から 6 月に実施した。教育的な話による介入の実施前後に、面会者の手指衛生遵守について観察した。介入期に面会者に教育的な話による介入を提供する目的は、手指衛生の重要性および正しい手指洗浄法について気づかせることであった。調査質問票を用いて介入後のデータを収集した。対応のない t 検定により介入前後の手指衛生遵守率を比較した。

結果
ベースラインの手指衛生遵守率は 9.73%であったのに対し、介入後は 87.06%まで増加した(P < 0.001)。手指衛生遵守の障壁は、手がふさがっていること、手指衛生用品の不適切な配置、手指衛生を習慣づけていなかったことなどであった。面会者が手指衛生を思い出す方法として好んだのは、口頭によるリマインダー(57%)、次いで、標識(38%)、リストバンド表示(5%)であった。

結論
教育的な話による介入により、面会者の手指衛生遵守率がかなり向上した。教育的な話による介入の持続可能性を評価し、また面会者の手指衛生遵守に対する他の障壁に対処するために、さらなる研究を推奨する。

サマリー原文(英語)はこちら

 

監訳者コメント

面会者の手指衛生遵守率の安定した向上には、面会ルールとして教育を受けてもらうことが前提になるだろう。せっかくキャンペーンで向上させてもキャンペーンの終了後すぐにしぼんでは仕方ない。

 

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