医療環境における新デザインの臨床用手洗い用洗面台による飛沫産生の評価★
Evaluation of droplet production by a new design of clinical handwash basin for the healthcare environment
S. Yui*, M. Muzslay, K. Karia, B. Shuttleworth, S. Ali, N. Dudzinska, P. Wilson
*University College London Hospitals, UK
Journal of Hospital Infection (2019) 103, e110-e114
手洗い用洗面台から発生する飛沫は、医療環境における細菌源となる可能性がある。飛沫を少なくする新しい洗面台について、シミュレーションした手洗いを行った際の、飛沫の抑制能力を評価した。この洗面台を、医療環境で広く用いられている 2 つの従来型洗面台と比較した。洗面台を検査システム上に載せ、手洗いを行う場合と行わない場合について、蛇口から 30 秒間水を流した。飛沫は、蛍光色素により可視化した。従来型の洗面台では、30 秒間の流水時に 1,000 個を超える飛沫が形成され、2 m を超えて拡散することが分かった。新しい洗面台では、手洗い時に形成される飛沫数が有意に少なく、拡散する距離も短縮した。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
洗面台から飛散・跳ね上がる飛沫が医療従事者や周辺の環境に飛ぶことによって、細菌の汚染が広がることはかねてから問題となっていた。このため飛散・汚染の少ない洗面台へと改良が進んでいる。本研究はその一例であり、改良はまだ途上であろう。今後の検討とさらなる改良に注目したい。
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