長期ケア施設における感染予防・制御プログラムの効果および中核要素:システマティックレビュー

2019.08.30

Effectiveness and core components of infection prevention and control programmes in long-term care facilities: a systematic review


M.H. Lee*, G.A. Lee, S.H. Lee, Y-H. Park
*Seoul National University, Republic of Korea
Journal of Hospital Infection (2019) 102, 377-393
背景
感染予防・制御(IPC)は、医療環境における医療関連感染症の予防策である。長期ケア施設での IPC プログラムの効果に関するエビデンスは限られている。
目的
高齢者向け長期ケア施設における IPC プログラムの効果および構成要素をレビューし、分析すること。
方法
長期ケア施設での IPC 介入について評価した英語論文で、過去 10 年間(2007 年から 2016 年)に公表されたものを、電子データベース(PubMed、EMBASE、CINAHL、Cochrane CENTRAL)により系統的に検索した。IPC 活動の改善を図るための世界保健機関(WHO)マニュアルに従い、IPC プログラムの構成要素を分析した。Cochrane バイアスリスクツールおよび非無作為化研究用のバイアスリスク評価ツールを用いて、2 名の評価者が独立して研究の質を評価した。
結果
17 件の研究が適格基準に合致し、17 件のうち 10 件は無作為化試験(58.8%)、7 件は非無作為化試験で、これらの研究の目的は、IPC プログラムが、感染症の転帰と医療従事者の実践成果の両方、またはいずれか一方に及ぼす影響について評価することであった。対象とした研究のうち、WHO の中核要素のすべてを実施した研究はなかった。医療関連感染症の脅威を緩和するために、教育、モニタリング、およびフィードバックによる行動変容策が、功を奏する介入であると報告されている。概して、WHO 多面的対策の 4 つ以上の要素を用いた研究で、感染症発生率を有意に低減するとの報告があった。
結論
長期ケア施設における医療関連感染症の制御を目的とした、教育、モニタリング、フィードバック、および WHO 多面的対策の 4 つ以上の要素を用いた IPC 介入の効果に関する複数のエビデンスがある。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
長期ケア施設における医療関連感染症の制御であっても包括的な感染対策が必要なことは間違いない。

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