黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)および表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)によるインプラント感染症
Staphylococcus aureus and Staphylococcus epidermidis infections on implants
W.F. Oliveira*, P.M.S. Silva, R.C.S. Silva, G.M.M. Silva, G. Machado, L.C.B.B. Coelho, M.T.S. Correia
*Universidade Federal de Pernambuco, Brazil
Journal of Hospital Infection (2018) 98, 111-117
感染症は、患者からのインプラント抜去の主要な原因の 1 つであり、治療は、通常困難であり、費用がかかる。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)および表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)は、検出される頻度が極めて高い病原体である。我々は、インプラント関連感染症の疫学および病理発生についてレビューを行った。関連する研究を以下のデータベースを用いて電子検索により特定した:PubMed、ScienceDirect、Academic Google および CAPES Journal Portal。本レビューでは、黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌によるインプラント感染症の疫学研究について報告する。抗バイオフィルム活性を有する新規化合物の探索に用いられるいくつかの方法について、また細菌プラーク形成およびその結果による感染症を回避することを目的とした表面の生体材料の変更を行うための主要な戦略について考察する。黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌は、カテーテルおよび整形/乳房インプラントにおける感染症に関与していることが多かった。候補化合物の潜在的抗バイオフィルム活性を検証するために様々な方法が用いられており、例えばクリスタルバイオレット染料は安価で再現性が高いことから、in vitro でのバイオフィルムの定量に広く用いられている。バイオフィルム形成を予防するためには表面の生体材料の変更が必要である。一部の研究は、インプラントで用いられている材料の表面上への抗菌薬の固定化を検討している。細菌の抗菌薬耐性の拡散を回避する方法として他のアプローチが用いられており、例えば材料表面の銀および天然化合物による機能化、ならびにこれらの基質の電気処理などがある。
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監訳者コメント:
インプラントは体内埋没物(体内埋め込み器具)のことである。インプラントそのものには血流はなく、細菌が付着するとバイオフィルムを形成し治療を困難にする。本論文はこうした中でも黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)および表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)によるインプラント感染症に焦点をあてた総説である。
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