集中治療室で接触隔離された患者における鎮静関連の投薬過誤の評価

2018.02.28

Evaluation of sedation-related medication errors in patients on contact isolation in the intensive care unit


R.J. Searcy*, C.A. Jankowski, D.W. Johnson, J.A. Ferreira
*University of Florida Health Jacksonville, USA
Journal of Hospital Infection (2018) 98, 175-180
背景
集中治療室(ICU)の患者は、保菌しているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)の伝播を防ぐため、接触隔離される可能性がある。これまでの研究では、隔離患者は非隔離患者と比較して低水準のケアを受ける可能性があることが示唆されている。適切なレベルの鎮静は、人工呼吸を円滑に行い、また有害事象を最小化するため必要とされている。
目的
人工呼吸下で、かつ MRSA 保菌のため隔離されている患者は、非隔離患者と比較して過鎮静のリスクが高いか判定すること。
方法
ICU 入院後 24 時間以内に MRSA 鼻腔内ポリメラーゼ連鎖反応アッセイを受け、また、48 時間以内に鎮静を受け、人工呼吸下の成人患者のカルテを後向きにレビューした。評価項目には、不適切な鎮静の実施率、ICU 滞在期間、人工呼吸期間、人工呼吸器関連合併症の発生頻度を含めた。
結果
計 226 例の患者(MRSA 陽性 114 例、MRSA 陰性 112 例)が対象となった。MRSA 陽性群と陰性群で、ICU 入院時診断名を除いてベースラインの人口動態は類似していた。不適切な鎮静を受けていたのは隔離患者が 56 例(55%)であったのに対し、非隔離患者は 49 例(50%)であった(P = 0.482)。隔離患者は非隔離患者と比べて、ICU 滞在期間がより長く(10.4 日対 6.8 日、P = 0.0006)、人工呼吸期間がより長く(8.98 日対 4.81 日、P < 0.001)、気管切開を必要とする頻度がより高かった(37 例[32%]対 14 例[13%]、P = 0.0003)。
結論
隔離患者は非隔離患者と比較して、過鎮静のリスクは高くなかった。MRSA 鼻腔内保菌による接触隔離の実施と、ICU 滞在期間および人工呼吸期間の延長は関連性があった。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
接触予防策は感染経路別予防策の中でも重要な感染予防策であるが、一方で隔離による精神的苦痛やメディカルエラーの増加など様々なデメリットが報告されている。本研究はそういったデメリットの中でも過鎮静のリスクについて評価した研究である。感染対策担当者は感染予防策が患者に対して総合的に有害な影響を及ぼしていないか、総合的な視点で俯瞰する必要がある。

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