内科病棟における末梢静脈カテーテル関連血流感染の全国的研究
Nationwide study on peripheral-venous-catheter-associated-bloodstream infections in internal medicine departments
M. Guembe*, M.J. Pérez-Granda, J.A. Capdevila, J. Barberán, B. Pinilla, P. Martín-Rabadán, E. Bouza on behalf of the NUVE Study Group
*Hospital General Universitario Gregorio Marañón, Spain
Journal of Hospital Infection (2017) 97, 260-266
背景
末梢静脈カテーテル(PVC)の使用は集中治療室外で増加しており、PVC 関連血流感染(PVC-BSI)の発生率も同様に増加している。PVC は内科病棟で広く使用されるが、内科病棟における PVC-BSI の発生率およびその特徴に関するデータは不十分である。
目的
スペインの内科病棟で認められた PVC-BSI エピソードの発生率を評価すること。
方法
スペインの 14 の内科病棟を対象に、1 年間の多施設前向き観察コホート研究を行った。PVC を 1 本以上挿入され菌血症が認められた成人の入院患者を研究に含めた。患者背景データおよび臨床データは現地コーディネーターにより提供された。
結果
70 件の PVC-BSI が記録され、PVC-BSI の全発生率は内科病棟入院 1,000件あたり 1.64 件であった。患者の平均年齢は 67.44歳(標準偏差16.72)であった。PVC の 25.7%はすでに不要となっていると推定された。最も多く分離された病原体は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)であった(41.7%)。静脈炎は、44 件(62.9%)で臨床的に明らかに認められ、救急部でのカテーテル挿入の独立した予測因子であることが示された(オッズ比 5.44)。粗死亡率および寄与死亡率はそれぞれ、12.9%および 5.7%であった。
結論
PVC は、スペインの内科病棟において、菌血症の重大なリスクをもたらす。本研究集団では、静脈炎は、すべての菌血症患者で臨床的に明らかであったわけではなかった。本研究の結果から、PVC-BSI および関連合併症の発生率を低下させ費用を削減するためには、内科病棟と救急部の両方で、教育的および介入的な予防策が必要であることが裏付けられる。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
従来カテーテル関連血流感染症のサーベイランスは主に中心静脈カテーテルを対象に行われてきた。しかし実態としては PVC の方が多く使用されており、その感染率や臨床的影響はよく分かっていなかった。近年 PVC を対象とした研究が増加し、本研究のように一定の感染率および臨床的影響があることが分かってきた。今後は一層 PVC 挿入患者に対する感染管理を強化していく必要があるだろう。
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