カテーテル関連尿路感染症を予防する革新を評価するための臨床状態を模倣する in vitro 尿道カテーテル法モデル

2017.09.28
☆

An in-vitro urinary catheterization model that approximates clinical conditions for evaluation of
innovations to prevent catheter-associated urinary tract infections


R.Y.R. Chua*, K. Lim, S.S.J. Leong, P.A. Tambyah, B. Ho
*National University of Singapore, Singapore
Journal of Hospital Infection (2017) 97, 66-73
背景
カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)は、世界の院内感染の約 25%を占め、病状の悪化および医療費の増加につながることが多い。さらなる問題として、カテーテルにおける細菌、とりわけ抗生物質耐性菌の主なリザーバであるバイオフィルムの存在がある。閉鎖式ドレナージシステムの導入以降、CAUTI に取り組む革新技術は生まれているが、臨床転帰の有意な改善には至っていない。CAUTI の新しい予防戦略を検証する堅牢な試験プラットフォームがないことが、新技術の開発を妨げていると考えられる。
目的
CAUTI を予防する技術革新を検証するための in vitro カテーテルモデルを確立すること。
方法
本 in vitro カテーテルモデルでは、尿試料を連続的に容器(膀胱)に流入し、採取容器(廃液バッグ)に接続されている導尿カテーテルを介して排出を行う。検証用の菌は、ゴム製注入ポートを介して膀胱内に簡便に導入可能であり、続いて、細菌尿の発症およびカテーテルでのバイオフィルム形成の判定が可能である。
結果
まず大腸菌(Escherichia coli)(約 5×105 コロニー形成単位[cfu]/mL)の接種材料を膀胱に加えると、100%シリコン製カテーテルおよび市販の銀ハイドロゲルカテーテルでは、3 日以内に大量のバイオフィルムの定着(それぞれ約 108 cfu/cmおよび約 107 cfu/cm)が認められ、尿中(細菌尿)の細菌集団(それぞれ約 108 cfu/mLおよび約 107 cfu/mL)と同程度であった。興味深いことに、抗菌ペプチド(CP11-6A)被覆カテーテルはいずれも、バイオフィルムの定着がわずかであり、細菌尿は検出されなかった。
結論
in vitro カテーテルモデルは、CAUTI の新しい予防戦略を評価する有用な前臨床のアプローチである。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
CAUTI は病院感染における原因の一つであるが、カテーテル留置の厳格な適応、留置中の無菌的管理、そしてできる限り早期の抜去が、CAUTI 防止の基本である。尿道カテーテルの留置期間とともに、バイオフィルム形成により細菌尿が増加することは周知の事実であるが、これまで様々な材質あるいは抗菌薬処理されたカテーテルが開発されてきているが、目を見張るほどの CAUTI の減少効果は認められていない。本論文では、新規に開発されたカテーテルの評価を、臨床現場に近い条件での再現実験を可能にする手法を開発し、それを評価している。

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