新生児集中治療室におけるバークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)アウトブレイクのまれな感染源

2016.12.21

An unusual source of Burkholderia cepacia outbreak in a neonatal intensive care unit


B. Shrivastava*, A. Sriram, S. Shetty, R. Doshi, R. Varior
*Dr L. H. Hiranandani Hospital, India
Journal of Hospital Infection (2016) 94, 358-360
2 か月の期間中に、当新生児集中治療室の早産児 7 例が、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)による敗血症であることが血液培養により認められた。感染源を特定するため、徹底的な環境調査を実施した。クエン酸カフェインがこの病原体の感染源であることが分かった。この原因薬物を新生児集中治療室および院内薬剤室から回収し、地域の保健当局に報告した。全 7 例の乳児は退院し、感染に関連する病態はなかった。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
インドの新生児集中治療室における報告である。アウトブレイクの原因はクエン酸カフェイン(未熟児無呼吸発作などに使用される)のバークホルデリア・セパシアによる汚染であり、それは未開封のバイアルでも認められた。著者らは「静注薬の無菌性は必ずしも担保されないので、アウトブレイク調査の際は、(未使用であっても)薬剤そのものの微生物検査も重要である」と結論づけている。確かに薬剤製造過程における薬剤の微生物汚染は決してまれなことではなく、2015 年には Journal of Hospital Infection でもシステマティック・レビューが掲載されている。被害を最小限に食い止めるためにも、薬剤の汚染の可能性はアウトブレイク調査の早い段階で検討しておくと良いだろう。

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