即効性抗菌性表面としての圧縮塩化ナトリウム:パイロット研究の結果

2016.10.31

Compressed sodium chloride as a fast-acting antimicrobial surface: results of a pilot study


B.D. Whitlock*, S.W. Smith
*University of Alberta, Canada
Journal of Hospital Infection (2016) 94, 182-184
抗菌性表面は現在、医療関連感染(HAI)をもたらす病原菌の伝播を減らす補助手段として検討が進んでいる。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)は、HAI の原因としてもっとも毒性が強く、かつ費用がかかる病原菌の 1 つである。これまでに研究され、現在も利用可能な抗菌性表面技術(銅合金表面など)では、MRSA に対して有効ではあっても、菌量を有意に減少させるには 30 分から数時間を要していた。本稿では、銅合金表面と比較して MRSA を 20 ~ 30 倍速く減少させる圧縮塩化ナトリウムによる新規の抗菌性表面技術を紹介する。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント本検討では、圧縮塩化ナトリウムでできた表面に MRSA を接着させてから、ごく短時間での菌の回収量と減少率を計測している。20 秒ですでに菌量が少なく、15%程度に減少し、かつその後も減少したままであり、接着抑制、増殖抑制、そして持続性が期待される。しかしながら実用には、湿度や清掃による耐久性の低下、用途などまだ考慮しなければならないことが多いように思われる。

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