バイオフィルムは病院表面の「エンバイロメントーム」が生命体で満ちていることを意味する
Biofilms mean that the ‘environmentome’ of hospital surfaces is teeming with life
J.A. Otter*
*Imperial College Healthcare NHS Trust, London, UK
Journal of Hospital Infection (2015) 91, 218-219
No abstract.
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
本稿は、「ICU の環境表面は、バイオフィルム内に存在する複数の細菌(特に多剤耐性菌)によって汚染されている」と報告した Hu. H らの論文(J Hosp Infect 2015;91:35)に対するコメントである。遊離塩素溶液を用いた二段階の清掃・消毒後に採取したにもかかわらず検出されたこと、しかも 12 か月経過しても生菌であったことは、非常に興味深い結果であった。ここで用いられた「エンバイロメントーム」解析では、我々になじみのない様々な菌が、それぞれのニッチをもってマットレスや枕、床などに存在していることが明らかになった。この解析手法にはまだ改善の余地があるものの、乾燥した環境表面から検出可能であったことは、従来の清掃・消毒法に限界があったことに合致しているし、より重要なこととして、「バイオフィルムは病院内の乾燥した環境表面に高頻度に存在する」という認識をもつ必要性を訴えている。
監訳者注:
※エンバイロメントーム(environmentome):環境中の微生物叢。
同カテゴリの記事
Seroprevalence of hepatitis C virus infection among surgical nurses, their patients and blood donation candidates in Poland
Antimicrobial effect of surgical masks coated with nanoparticles
Can intersectional innovations reduce hospital infection?
Can ‘search and destroy’ reduce nosocomial meticillin-resistant Staphylococcus aureus in an Irish hospital?
Prospective evaluation of an easy and reliable work flow for the screening of OXA-48-producing Klebsiella pneumoniae in endemic settings
C. Rodríguez-Lucas*, M.R. Rodicio, Y. Rosete, J. Fernández
*Unidad de Microbiología, Hospital El Bierzo, Spain
Journal of Hospital Infection (2020) 105, 659-662