病院ベッドの機械洗浄と用手洗浄の比較:前向き介入研究
Mechanical vs manual cleaning of hospital beds: a prospective intervention study
J. Hopman*, M. Nillesen, E. de Both, J. Witte, S. Teerenstra, M. Hulscher, A. Voss
*Radboud University Medical Centre, The Netherlands
Journal of Hospital Infection (2015) 90, 142-146
背景
高度耐性微生物の保菌率上昇や医療システムに対する財政的締め付け強化を受けて、病院ベッドの洗浄方法の評価が行われている。オランダの病院は、国の指針で推奨されている標準化されたベッド洗浄機による機械洗浄と、用手洗浄のいすれかを選択する必要がある。
目的
機械および用手によるベッド洗浄方法の質を評価すること。
方法
このベッド洗浄方法の多面的分析は 3 段階からなる。ステップ 1 では、病院家事サービスチームの研修について評価した。ステップ 2 では、用手および機械による洗浄方法の質を評価した。様々な診療部門からランダムに選択した汚れたベッドを微生物学的分析(40 台)および ATP レベル(20 台)により評価した。ATP レベルおよび微生物汚染の測定は、いずれも事前に規定した 5 か所で行った。ステップ 3 では、外科短期入院ユニットで 2 か月間のパイロット研究として用手洗浄を導入し、他科のベッドは「ゴールドスタンダード」である機械洗浄処理を行った。ATP レベルを洗浄後のベッド 300 台の 3 か所で評価した。
結果
研修により洗浄の質が有意に改善することが示された。機械洗浄では、用手洗浄と比較して ATP レベルが有意に低下した。
結論
機械洗浄の効果は用手洗浄と比較してばらつきが小さいことが示され、ATP レベルは一貫して低かった。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
ベッドの洗浄を機械で行うか手で行うかによる効果の違いを比較した論文である。オランダのガイドラインでは、ベッドを丸ごと洗浄する機械を使用することが、手洗いよりも推奨されている。本論文の考察によると、実際、国内の 8 つの大学病院の 63%(5 つ)、26 ある教育病院の 4%(1 つ)が機械洗浄を実施しており、両方の 13%が機械洗浄と用手洗浄を組み合わせていた。この結果で示された、研修を行うことで用手洗浄のレベルが上がるが、機械洗浄のほうがばらつきが少なく清浄度が高いことを考えると、機械洗浄がよいと感じるが、要する時間やコストについては今後の検討課題となっていた。また、機械洗浄をこれから導入する場合には、ベッドを搬送する経路やスタッフなど、構造や仕組みも含めて検討が必要となると思われた。
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