感染予防・制御チームの業務手順および成功:スコーピング・スタディ★

2015.02.27

Working practices and success of infection prevention and control teams: a scoping study


R. Hale*, T. Powell, N.S. Drey, D.J. Gould
*Cardiff University, UK
Journal of Hospital Infection (2015) 89, 77-81
感染予防・制御チーム(ICT)がどのような活動を行っているのか、またその活動の有効性がどのように評価されているのかについて、研究はほとんど実施されていない。本総説の目的は、ICT は病院全体に感染予防・制御をどのように浸透させているのか、アウトブレイクのマネジメントと ICT 業務の戦略的な側面(教育など)とのバランスをどのように取っているのか、また ICT の実績はどのように評価されているのかを調べることである。文献検索やエビデンスの統合解析、専門家アドバイザーの知識を組み合わせて、予備的調査を行った。11 報の文献を特定した。1 報は ICT 看護師の業務時間配分を定量的に評価したもの、2 報は ICT の日常的活動を記述したもの、5 報は英国で 1999 年に始まった医療提供に関する法改正とそれ以後の、組織全体への感染制御の浸透に関する取り組みを記述したもの、3 報は仲介を務めるリンクナースや「熱心に取り組んでくれるスタッフ(チャンピオン)」の貢献について調査したものであった。8 報は調査結果を報告しており、その他は英国の病院で ICT が感染制御の業務をどのように浸透させているかを報告していた。結論として、ICT の業務および実効性に関しては、種々のモデルを検討したり、費用対効果を調べる余地があろう。その他の取り組むべき課題としては、感染予防・制御に関して増大する責任を病棟スタッフが引き受ける意欲と能力や、上記仲介者の効用などが挙げられる。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
ICT の活動内容は多岐にわたり、かつ施設の特性に左右され、さらにその活動形態・組織も以前と比べ変化してしてきている。この中で、ICT の業務がどのように院内全体の感染制御に役立っているか、様々な指標とアウトカムが設定され、評価されているが、それらを総括して客観的に表せるものは非常に少ない。本論文は、英国での ICT の業務評価についてレビューしたものだが、病院の感染制御全体に関する費用対効果の算出など、今後の評価の方向を探るうえで有用な情報を与えてくれる。

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