神経外科入院患者のドレーン関連脳脊髄液感染の減少:前向き研究★★

2013.07.31

Reduction of drain-associated cerebrospinal fluid infections in neurosurgical inpatients: a prospective study


R. Zakaria*, S. Tripathy, N. Srikandarajah, M.M. Rothburn, D.D.A. Lawson
*The Walton Centre NHS Foundation Trust, UK
Journal of Hospital Infection (2013) 84, 215-221
背景
ドレーンからの脳脊髄液の排出には種々の感染リスクがあり、その発生率は極めて高い。
目的
簡易な介入により、単一施設におけるこれらの感染の発生率が減少するかどうかを明らかにすること。
方法
脳脊髄液排出処置を受けた全患者を対象とした後向きレビューを実施し、過去の感染率を算出した。施設内プロトコールを導入してドレーン挿入、ケア、サンプル採取、および抗菌薬処方を標準化し、感染率の変化の有無や、あらゆるドレーン関連感染を予測する因子を明らかにするために前向き研究を行った。
結果
後向きの解析により、2 年間で 159 例に対する 234 件の処置が特定された。54 件のドレーン関連感染が認められ、感染率は 1,000 ドレナージ日あたり 21.5 件であった。脳脊髄液ドレナージの期間(オッズ比[OR]1.15、P < 0.05)とドレーンあたりの脳脊髄液サンプル採取数(OR 5.98、P < 0.05)は、独立して感染と関連していた。前向きにデータを収集した期間には、1 年間で 107 例に対する 132 件の処置が記録された。18 件の感染が認められ、感染率は 1,000 ドレナージ日あたり 13.7 件であった。感染の予測因子は、脳脊髄液ドレナージの期間のみであった(OR 1.20、P < 0.05)。コアグラーゼ陰性ブドウ球菌は、両期間を通して最も多く分離された菌種であった。
結論
脳脊髄液排出が不要になった後の速やかなドレーン抜去により、多くの交絡因子が存在するものの、この集団の院内感染率が減少すると考えられる。この点に関しては、施設内ガイドラインを策定することが、最良の実践を促進することになると考えられる。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
脳脊髄液ドレナージとて体内挿入デバイスであり、中心静脈カテーテル同様に挿入期間については短いほうが望ましいことはいうまでもない。マイナーな領域ではあるが、こうした個々の体内挿入デバイス(ことにカテーテル関連)の感染リスクの評価は重要である。

同カテゴリの記事

2021.09.30
The impact of penicillin allergy de-labelling on the WHO AWaRe antibiotic categories: a retrospective cohort study

N. Powell*, R. West, J.A.T. Sandoe
*Royal Cornwall Hospitals NHS Trust, UK

Journal of Hospital Infection (2021) 115, 10-16


2013.02.28

Comparison of two selective media for the recovery of Clostridium difficile from environmental surfaces

2013.07.31

Otitis externa following aural irrigation linked to instruments contaminated with Pseudomonas aeruginosa

2022.04.20
Operating room ventilation systems: recovery degree, cleanliness recovery rate and air change effectiveness in an ultra-clean area

J.L.A. Lans*, N.M.C. Mathijssen, A. Bode, J.J. van den Dobbelsteen, M. van der Elst, P.G. Luscuere
*Delft University of Technology, The Netherlands

Journal of Hospital Infection (2022) 122, 115-125