完全埋め込み型静脈アクセスデバイス関連血流感染の減少のための生理食塩液プレフィルドシリンジ:単一施設のパイロット試験★

2013.05.30

Pre-filled normal saline syringes to reduce totally implantable venous access device-associated bloodstream infection: a single institution pilot study


S. Bertoglio*, R. Rezzo, F.D. Merlo, N. Solari, D. Palombo, F. Vassallo, S. Beltramini, A. DeMaria
*University of Genova, Italy
Journal of Hospital Infection (2013) 84, 85-88
用手的に生理食塩液を充填したシリンジを用いて、完全埋め込み型静脈アクセスデバイス(TIVAD)のフラッシングを行うことにより、汚染およびカテーテル関連血流感染(CRBSI)が増加する可能性がある。用手的に充填されたシリンジからプレフィルドシリンジ製品への変更が CRBSI の発生頻度に及ぼす影響を評価するため、TIVAD 留置患者 718 例を対象として後向きコホート研究を実施した。用手的に充填されたシリンジを使用した患者は 269 例、プレフィルドシリンジ製品を使用した患者は 449 例であった。CRBSI 発生率はプレフィルドシリンジ製品群 2.7%、用手的に充填されたシリンジ群 6.3%であった(P = 0.016)。性別、腫瘍の種類と病期、留置部位、および留置側は、CRBSI の独立リスク因子ではなかった。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
無菌製造による工場でのプレフィルドシリンジと、病院内で用手的にシリンジに充填した注射剤の衛生度に関する検討である。当然,前者のほうが感染予防の観点からは優位性が担保されているが、院内で製剤化する場合にはその質的保証に配慮する必要がある。

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