帝王切開分娩後の手術部位感染発生率の病院間の比較:多施設サーベイランス研究の評価
Inter-hospital comparison of rates of surgical site infection following caesarean section delivery: evaluation of a multicentre surveillance study
J. Wilson*, C. Wloch, A. Saei, C. McDougall, P. Harrington, A. Charlett, T. Lamagni, S. Elgohari, E. Sheridan
*Health Protection Agency, UK
Journal of Hospital Infection (2013) 84, 44-51
背景
帝王切開分娩での術後入院期間は短期であるため、手術部位感染(SSI)リスクの正確な評価が困難である。特にベンチマーキングとしての使用など、効果的なサーベイランスシステムの支援のために用いるには、ばらつきが最小となる症例検出法が必要となる。
目的
帝王切開分娩後の SSI 症例検出法の有効性を評価すること、およびベンチマークとなる SSI 発生率を決定するにあたってのこれらの症例検出法の有用性を評価すること。
方法
対象病院で 13 週のサーベイランスを 1 期または 2 期にわたって実施した。患者の評価を入院中、分娩後(地域助産師による)、および分娩 30 日後(患者自記式質問票による)に実施した。症例検出法の信頼性の推定のため、病院 4 施設からのランダムサンプルのカルテレビューを実施した。
結果
病院 14 施設で実施した帝王切開分娩 4,107 例から 404 件の SSI が検出された。SSI 発生までの期間中央値は 10 日であり、66%は入院中または地域助産師の評価で検出され、その他の 34%は患者報告により明らかにされた。SSI 発生率は 9.8%であったが、追跡調査への回答率は病院間で大きなばらつきがみられた。症例検出の推定感度は 91.4%(95%信頼区間[CI]53.4% ~ 98.4%)、特異度は 98.6%(95%CI 98.4% ~ 98.8%)、陽性的中率は 91.0%(95%CI 82.4% ~ 96.1%)、および陰性的中率は 98.6%(95%CI 93.9% ~ 99.5%)であった。
結論
本研究で実施した複合的な症例確認法は、退院後の積極的サーベイランスの方法として実施可能なものであり、陽性的中率と陰性的中率がいずれも高かった。患者自記式質問票によって SSI をさらに検出することができるが、SSI 発生率は医療従事者による症例検出と患者自身による症例検出のいずれのばらつきにも大きな影響を受けた。SSI 発生率の比較やベンチマーキングに際しては、この因子を考慮しなければならない。
サマリー原文(英語)はこちら
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