入居前の新築ナーシングホームの抗菌薬耐性菌による急速な環境汚染

2013.04.30

Rapid environmental contamination of a new nursing home with antimicrobial-resistant organisms preceding occupation by residents


C. Ludden*, M. Cormican, B. Austin, D. Morris
*National University of Ireland Galway, Ireland
Journal of Hospital Infection (2013) 83, 327-329
ナーシングホームは抗菌薬耐性菌のリザーバとなる。本研究では、新築のナーシングホームで抗菌薬耐性菌による環境汚染が発生するまでの期間を調べた。入居中のナーシングホームと建て替えた新築ナーシングホームの環境部位(それぞれ 18 か所、21 か所)を、入居者が建物間を引越しする前後 11 週間にわたってモニタリングした。新しい建物の性能検証(コミッショニング)中にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)が検出され、入居後には建物全体に高い頻度で認められた。基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌(Escherichia coli) O25b:ST131 が 1 回検出された。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
この論文によると、新築のナーシングホームであっても、入居した 1 ~ 2 週間後には、床、ドアノブ、テーブル、椅子などの環境サンプリングの約半数から MRSA が検出された。入居者やスタッフの MRSA 保菌率は調査されていないものの、ひとたび使用し始めれば、施設環境の至る所が汚染されていると考え、標準予防策や接触予防策を実施する必要性が再確認できた。

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