ブラジル北東部の公立病院におけるアリ(膜翅目、アリ科)による糸状菌媒介
Filamentous fungi vectored by ants (Hymenoptera: Formicidae) in a public hospital in north-eastern Brazil
R.S.S. Aquino*, S.S. Silveira, W.F.B. Pessoa, A. Rodrigues, J.L. Andrioli, J.H.C. Delabie, R. Fontana
*Santa Cruz State University, Brazil
Journal of Hospital Infection (2013) 83, 200-204
背景
真菌による日和見感染が増加しているため、病院環境内の想定汚染源の捜索が行われている。
目的
ブラジル北東部・イタブーナの公立病院で、アリの糸状菌保菌を調査した。
方法
1 年間の調査期間中に、病院内の種々の区域でアリを採取した。アリの盛んな採餌行動が観察される場所を主に選択した。アリの外皮上の真菌を培養・同定した。
結果
11 属 12 種の合計 106 匹の働きアリを採取した。合計 47 の真菌株が 40%のアリ(42 匹)から分離され、13 属 16 種の真菌が同定された。多くみられた真菌属は、アスペルギルス(Aspergillus)、プルプレオシリウム(Purpureocillium)、およびフザリウム(Fusarium)であった。アリの中で、アワテコヌカアリ(Tapinoma melanocephalum)、ヒゲナガアメイロアリ(Paratrechina longicornis)、およびツヤオオズアリ(Pheidole megacephala)は 6 属の真菌を保菌しており、ヒアリ(Solenopsis saevissima)の働きアリは 4 属の真菌を保菌していた。真菌の多様性が高い病院内区域は、新生児室、病床、母乳バンク、および小児科であった。
結論
アリは、土壌中および空気中の真菌種のキャリアとして活動しており、これらの微生物の拡散を予防するためには病院区域内でアリを制御する必要がある。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
こうした媒介昆虫の医療関連感染に与える影響については、さらなる議論が必要である。
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