経腟および経直腸超音波検査の感染リスク:システマティックレビューとメタアナリシス★★

2013.02.28

Infectious risk of endovaginal and transrectal ultrasonography: systematic review and meta-analysis


S. Leroy*
*Institut Pasteur, Paris, France
Journal of Hospital Infection (2013) 83, 99-106
背景
経腟・経直腸超音波トランスデューサの適切な消毒は、産婦人科や泌尿器科における現在の難題である。しかし、フランスなどの一部の国々では、ルーチンにプローブカバーを使用し、その後に低レベルの消毒(ワイプ、噴霧)を実施してから次の患者に使用することが多い。
目的
学術論文のシステマティックレビューとメタアナリシスにより経腟・経直腸プローブ使用後の汚染に関する事例報告を特定し、日常診療でのこれらのプローブの使用に関連する感染率を推計すること。
方法
システマティックレビューおよびメタアナリシス。
結果
適格と考えられる論文 867 報のうち、最終的に 32 報を対象とした。汚染経路が確認された症例はわずかであった。アウトブレイク発生時以外に、経腟・経直腸超音波プローブの使用によるウイルス汚染を検出することは、不可能ではないものの困難である。しかし、低レベルの消毒後の経腟・経直腸プローブの汚染率は、統合データによると病原細菌 12.9%(95%信頼区間[CI] 1.7% ~ 24.3%)、一般的なウイルス(ヒトパピローマウイルス、単純ヘルペスウイルス、およびサイトメガロウイルス) 1.0%(95%CI 0.0% ~ 10.0%)であった。経直腸超音波検査および超音波ガイド下生検後の統合データでの患者の感染率は 3.1%(95%CI 1.6% ~ 4.3%)と推計された。
結論
経腟・経直腸超音波トランスデューサを介する細菌またはウイルスの伝播リスクがあると考えられ、今回のメタアナリシスによりこのリスクが推計された。リスクを定量化するために、高度なモデルを用いたさらなる研究が必要である。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
32 報の論文を用いたメタアナリシスである。このレビューでは、超音波ゼリーの汚染、プローブカバーの 1% ~9%に破損があり、カバーを使用していても消毒後のプローブ先端が汚染されていたことが解説されている。さらに、経腟・経直腸超音波トランスデューサはセミクリティカル・アイテムでありながら、適切な消毒方法が実施されていない状況が述べられている。患者間での高レベル消毒薬の使用は時間に制限があることが普及しない理由の 1 つとしてあげられている。このレビューを読めば、もはや言い逃れはできないことは明らかであろう。

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