イタリアの病院の新生児室における市中獲得型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)USA300 クローンによる皮膚・軟部組織感染症アウトブレイク

2013.01.30

Outbreak of skin and soft tissue infections in a hospital newborn nursery in Italy due to community-acquired meticillin-resistant Staphylococcus aureus USA300 clone


A. Sanchini*, M.G. Spitoni, M. Monaco, A. Raglio, A. Grigis, W. Petrò, M. Menchini, A. Pesenti, A. Goglio, A. Pantosti
*Istituto Superiore di Sanità, Italy
Journal of Hospital Infection (2013) 83, 36-40
背景
市中獲得型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(community-acquired meticillin-resistant Staphylococcus aureus;CA-MRSA)は、世界各地で健常者の重度の市中獲得型感染症の原因となっている。
目的
イタリア北部の病院の新生児室で 2010 年 9 月から 10 月に発生した CA-MRSA アウトブレイクと、その調査および制御対策について報告すること。
方法
アウトブレイクの疫学について記述した。調査として新生児、両親、および病院職員の MRSA 保菌のスクリーニングなどを実施した。また、MRSA 分離株の分子タイピングを行った。
結果
新生児 9 例でアウトブレイクが発生し、このうち 3 例は重度の感染症であった。さらに、母親 4 例が産褥乳腺炎、母親 3 例および父親 1 例が皮膚感染症に罹患した。アウトブレイク株は CA-MRSA USA300 クローンであった。新生児、両親、および病院職員にアウトブレイク株の無症候性保菌が認められた。病院の適切な感染制御対策によりアウトブレイクは終結した。
結論
著者らの知る限り、本稿は CA-MRSA USA300 クローンによる病院アウトブレイクに関する欧州で初めての報告である。感染制御対策の強化、特に新生児などの高リスク群を対象とした感染制御対策の強化が、欧州の病院における USA300 株の流行を予防するために重要である。
サマリー原文(英語)はこちら

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