メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)菌血症の感染源の動向:英国の MRSA 菌血症の全国的義務的サーベイランスのデータ(2006 ~ 2009 年)
Trends in sources of meticillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) bacteraemia: data from the national mandatory surveillance of MRSA bacteraemia in England, 2006-2009
J. Wilson*, R. Guy, S. Elgohari, E. Sheridan, J. Davies, T. Lamagni, A. Pearson
*Health Protection Agency, UK
Journal of Hospital Infection (2011) 79, 211-217
英国では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(meticillin-resistant Staphylococcus aureus;MRSA)菌血症の報告を目的とした全国的な義務的サーベイランスシステムに、2006 年以降に報告された菌血症の感染源に関するデータが記録されている。本研究の解析対象は、2006 年から 2009 年に感染源(その可能性も含む)が報告された MRSA 菌血症エピソード(4,404 例)である。感染源に関する情報を入手することができたのは、2009 年には報告された MRSA 菌血症エピソードの 3 分の 1 であった。このうち 20%は血管内デバイス、28%は皮膚軟部組織感染が感染源と考えられた。患者の 64%は男性であり、また男性は女性に比べて尿路感染症が MRSA 菌血症の原因である頻度が有意に高かった(12%対 3%)。市中獲得型 MRSA の症例は侵襲性の手技や器材と関連することが多いため、入院から 2 日以内に菌血症が検出された場合、市中獲得型 MRSA と病院感染型 MRSA を確実に判別することは不可能である。2006 年から 2009 年にかけて、中心静脈カテーテル(発生率比[IRR]0.42、95%信頼区間[CI]0.29 ~ 0.61、P < 0.001)、末梢血管カテーテル(IRR 0.69、95%CI 0.48 ~ 0.99、P = 0.042)、および手術部位感染(IRR 0.42、95%CI 0.25 ~ 0.72、P = 0.001)に関連する MRSA 菌血症エピソードの割合が有意に低下し、皮膚軟部組織感染(IRR 1.33、95%CI 1.05 ~ 1.69、P = 0.017)と関連のある、および検体の汚染(IRR 1.96、95%CI 1.25 ~ 3.06、P = 0.003)が原因と考えられる MRSA 菌血症エピソードの割合が有意に増加した。すべての症例のデータを入手することはできなかったため、このような傾向を一般化できるかどうかは、感染源に関するデータの記録が毎年の症例の適切なランダムサンプルを反映しているという前提に依存する。英国では 2006 年以降、MRSA 菌血症の発生率が全般的に低下している中で、このような動向が生じている。
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