世界保健機関が推奨する擦式製剤は 5 分以内の手術時手指消毒に関する欧州の有効性の要件に合致しない
World Health Organization-recommended hand-rub formulations do not meet European efficacy requirements for surgical hand disinfection in five minutes
G. Kampf*, C. Ostermeyer
*BODE Chemie GmbH, Germany
Journal of Hospital Infection (2011) 78, 123-127
世界保健機関(WHO)は、使用施設で調製する 80%エタノールまたは 75%イソプロパノール(いずれも v/v)ベースの 2 種類の擦式製剤を推奨している。EN 12791 に準拠して、これらの有効性を評価した。被験者 26 名が標準処置(n-プロパノール、60%)による 3 分間の手指消毒、または 2 種類の製剤のいずれかによる 1.5、3、または 5 分間の手指消毒を行った(ラテン方格法)。処置後細菌量(即時効果)を一方の手指で測定し、対側の手には手袋を 3 時間装着した。手袋を取り外した後、二次的処置後細菌量(3 時間後の効果)を測定した。各擦式製剤の全 3 種類の処置時間による平均減少量の対数値(log10)を、Hodges-Lehmann 検定を用いて比較評価した。第 1 ブロックでは、標準処置により細菌量が 2.43 log10(即時効果)および 2.22 log10(3 時間後の効果)減少した。エタノール製剤の有効性(例えば、5 分間処置後の即時効果は 1.41 log10 の減少)は、いずれの処置時間でも標準処置に対して劣性が認められた(95%信頼区間[CI]下限値 < -0.75)。第 2 ブロックでは、標準処置により細菌量が 2.72 log10(即時効果)および 2.26 log10(3 時間後の効果)減少した。イソプロパノール製剤の有効性(例えば、5 分間処置後の即時効果は 2.05 log10 の減少)についても、いずれの処置時間でも標準処置に対して劣性が認められた(95%CI 下限値 < -0.75)。WHO が推奨する擦式製剤はいずれも、5 分以内の手術時手指消毒に関する EN 12791 の有効性の要件に合致していなかった。有効成分の濃度を高めることにより、この有効性が改善する可能性がある。
サマリー原文(英語)はこちら
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