サウジアラビア、ジェッダの King Abdulaziz 大学病院で新生児アウトブレイクの原因となったセラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)で汚染されたベビーシャンプー

2011.05.01

Serratia marcescens-contaminated baby shampoo causing an outbreak among newborns at King Abdulaziz University Hospital, Jeddah, Saudi Arabia


T.A. Madani*, S. Alsaedi, L. James, B.S. Eldeek, A.A. Jiman-Fatani, M.M. Alawi, D. Marwan, M. Cudal, M. Macapagal, R. Bahlas, M. Farouq
*King Abdulaziz University Hospital, Saudi Arabia
Journal of Hospital Infection (2011) 78, 16-19
2008 年 11 月から 2009 年 1 月にサウジアラビアの King Abdulaziz 大学病院で、新生児集中治療室(NICU)の乳児 11 例と新生児室の乳児 3 例がセラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)に感染した。NICU の乳児 11 例に合計 15 件の感染症が確認され、内訳は敗血症(5 例)、化膿性結膜炎(3 例)、尿路感染症(2 例)、髄膜炎(2 例)、および蜂巣炎(1 例)であった。新生児室の乳児 3 例に 3 件の感染症が確認され、内訳は化膿性結膜炎(2 例)および臍炎(1 例)であった。乳児 14 例中 13 例は完全に回復したが、1 例は S. marcescens による髄膜炎と敗血症で死亡した。すべての感染症は、最初の報告例の 5 日前に病棟に搬入された、元々汚染されていた乳児用シャンプーが原因であることが判明した。アウトブレイクはこのシャンプーの中止後に終結した。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
セラチアによる汚染は水周りに多くみられる、古典的なアウトブレイクである。シャンプー等には防腐剤が入っているが、殺菌作用に乏しい。国内でも継ぎ足し式のシャンプーの使用が一般家庭で行われているが、その際には内部を洗浄ししっかり乾燥すると衛生的である。

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