器具の汚染除去を考慮した歯科診療室の設計★
Design of dental surgeries in relation to instrument decontamination
A.J. Smith*, D.E.A. Lockhart, E. McDonald, S. Creanor, D. Hurrell, J. Bagg
*University of Glasgow, UK
Journal of Hospital Infection (2010) 76, 340-344
最近のガイドラインは歯科用器具の汚染除去を診療エリア外で行うことを推奨している。本研究の目的は、歯科診療所の器具汚染除去設備の物理的な配置状況について、診療エリアの内外に分けて明らかにするとともに、診療所のレイアウトや換気法に関連するその他の要因を明らかにすることである。英国・スコットランドの歯科診療所の歯科医療従事者を対象として、面接と観察によりデータを収集した。室内のレイアウトを床の高さ、作業台の高さ、および作業台より上の高さで計測し、記録した。器具汚染除去処理を診療エリア内で行っている13の診療室および診療エリア外で行っている7の診療室を無作為に選択し、室内の寸法を詳細に分析した。調査を行った179の歯科診療室の55%は居住用施設を改装したものであり、また、ほとんどの歯科医師(91%)は建物を他の職種の医療従事者と共用していなかった。診療所内の部屋数の中央値は8(範囲2~21)、診療室数の中央値は3(範囲1~6)であった。器具汚染除去設備が診療エリア内に設置されているか否かにかかわらず、診療エリアがある部屋の面積の中央値はいずれも15.8 m2(範囲7.3~23.9 m2)(P = 0.862)であり、診療室面積の20%が作業エリアとして利用可能であった。7つの器具汚染除去専用室(診療所内汚染除去部門)の面積の中央値は7.6 m2(範囲2.9~16.0 m2)であり、床面積の平均63%が作業面として使用されていた。今回の調査から、居住用施設を改装した歯科診療室の配置には、医療施設としての適切な設計にあたって多くの制限があることが示唆される。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
英国の歯科診療の場におけるガイドラインと現実の乖離をデータで示した論文。英国は日本と同様、医療設備が古く狭い傾向にあるとされるが、歯科クリニックも同様であり、適切な感染対策の実施に対する阻害要因になっていることは興味深い。
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