インドネシア農村部の医療従事者の手指衛生:流し、擦式手指消毒薬、および実地訓練では克服できない障壁

2010.11.30

Hand hygiene in rural Indonesian healthcare workers: barriers beyond sinks, hand rubs and in-service training


B. Marjadi*, M.-L. McLaws
*Universitas Wijaya Kusuma Surabaya, Indonesia
Journal of Hospital Infection (2010) 76, 256-260
医療従事者の手指衛生遵守率の向上を図る試みの中では、手指衛生が実践されないことの社会的背景や行動上の背景の詳細な分析はほとんど行われていない。本研究は、複数の方法を組み合わせたアプローチを用いて、インドネシア農村部の医療施設における手指衛生の障壁を調査し、当地の資源に応じた国際的ガイドラインの導入方法を見いだすことを目的とした。インドネシア農村部のある地区の2病院と8診療所(民間、公的)をそれぞれ3か月間調査した。手指衛生遵守状況を、2病院の成人病棟3棟で2交代の勤務時間のいずれにもわたり、被験者に調査であることを伏せて観察した(covert observation)。定性的データを、医療施設および地域住民の直接観察、フォーカスグループ・ディスカッション、詳細な半構造化面接、および自由面接により収集した。遵守に対する主な障壁は、長期間の水不足、地域住民の不潔さへの寛容性、および医療組織の文化などであった。手指衛生遵守は不良であり(20%、57/281、95%信頼区間16%~25%)、遵守率が高かったのは、患者との接触後(患者との接触後34%対接触前5%、P < 0.001)、不潔であると認識される接触に関連する「本来の」手指衛生機会(「本来の」機会49%対清潔な接触に関連する「選択的な」機会11%、P < 0.001)であった。医師は手指衛生を行わずに患者に接触することが多く、患者との接触を完全に避ける医師もあった。長期的な地域住民の教育や、協力的な職場環境を形成する管理者の責任に焦点を当てた介入がなければ、清潔な石けんや水の提供および実地訓練のみでは強力な社会的障壁や行動上の障壁を克服することは不可能であろう。
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監訳者コメント
水のない地域での手指衛生は究極の課題である。WHOの手指衛生キャンペーンもこの点を配慮してガイドラインが作成されている。

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