高度保安精神病院Broadmoor Hospitalにおける手指衛生に関する監査

2010.06.30

Audit of hand hygiene at Broadmoor, a high secure psychiatric hospital


K. Ahmed*
*Broadmoor Hospital, UK
Journal of Hospital Infection (2010) 75, 128窶・31
高度保安精神病院の保安措置の強化により、手指衛生が困難になることがある。今回の監査では、地域の手指衛生指針を比較標準として、Broadmoor Hospitalにおける適切な手指衛生用品の設置状況および良好な手指衛生の実践を評価した。この病院の23病棟の手指衛生用品を監査するために用いたデータ収集ツールから、病棟の手指衛生用品の供給が著しく不足していることが判明した。さらに、看護職員の認識、訓練、および手指の汚染除去の実践を評価するために作成した質問票を用いて、職員に対する調査を行った。この調査により、手指衛生指針、および手指の汚染除去を実施する適切なタイミングについての認知度を向上させる必要があることが明らかになった。監査の結果、適切な用品を発注するとともに、各病棟の感染制御リンクナースの責務を以下のように明確化した。すなわち、必要に応じて手指衛生用品を確認し発注すること、手指の汚染除去の実施を注意喚起するために定期的なミーティングを開催すること、および手指衛生指針の認知度の向上を図ることである。さらに、患者の手指衛生に対する認知度を向上させるために病棟の患者区域にポスターが掲示され、看護ステーションにアルコールジェルディスペンサーが設置された。他の精神病院でも、同様の監査を行うことは有益である可能性がある。
サマリー原文(英語)はこちら
監訳者コメント
精神障害者の入所施設や病棟では、感染予防策よりも患者の自傷行為や急性精神反応のほうに注意が偏りがちになり、また入所者や入院患者自体の了解に問題があり、協力が得られにくいこともあり、MRSAだけでなく結核なども問題になりやすい。このような障害者を社会へ受け入れて再教育を施す態勢の整備が進むような世の中になれば、ずいぶんと感染対策の問題も改善するであろうと考えられる。
監訳者注
イギリスでは、精神発達障害や知的障害者が罪を犯したとき、本人の責任能力の有無にかかわらず、精神科のケアが必要であると判断されれば、専門の治療施設に収容される。保安の必要性の程度によって、高度保安病院、地域保安ユニット、低度保安ユニットの3段階に分かれている。

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