病院環境汚染の減少における銅の役割★

2010.01.31

Role of copper in reducing hospital environment contamination


A.L. Casey*, D. Adams, T.J. Karpanen, P.A. Lambert, B.D. Cookson, P. Nightingale, L. Miruszenko, R. Shillam, P. Christian, T.S.J. Elliott
*The Queen Elizabeth Hospital, UK
Journal of Hospital Infection (2010) 74, 72-77
環境は医療関連感染を引き起こす病原体のリザーバとなる場合がある。したがって、清掃のほかにも環境の微生物汚染を減少させるためのアプローチを検討する価値がある。銅に抗菌活性があることが知られているが、この特性は医療機関では利用されていなかった。今回、急性期ケア病棟でクロスオーバー試験を実施して、銅の使用について調査を行った。銅を含有する便座、蛇口のもち手、および病棟入り口のドアの押し板からサンプルを採取して微生物の有無を調査し、同一病棟内の銅を含有しない標準的な相当品目と比較した。これらから週1回、7時と17時にサンプルを採取して、10週間にわたって継続した。5週間後の時点で銅含有品目と非含有品目を入れ替えた。「指標微生物」を含む好気性菌の1 cm2あたり総数を計測した。銅含有品目の微生物数中央値は7時と17時のいずれも対照品目より90%から100%少なかった。1品目を除いてそれぞれの品目に統計学的な有意差が認められた。この試験期間で好気性菌コロニー総数の中央値が提案されたベンチマーク値である5 cfu/cm2未満を達成できなかったのは、対照品目でサンプルを採取した10か所の5か所、銅含有品目で10か所の0か所であった。指標微生物はいずれも1週目の1品目を除いて対照品目のみから分離された。したがって、病院の環境表面における銅含有材料の使用は、医療関連感染予防を補助するものとして有益である可能性があるが、さらなる検討が必要である。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
最近は銅化合物の殺菌性に注目した研究が多く、今後の展開が注目される。

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*Rambam Health Care Campus, Israel
Journal of Hospital Infection (2020) 106, 495-499

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