成人入院患者への末梢カテーテル使用に関連する静脈炎およびその他の合併症の予防のためのアドオン器材の評価:無作為化対照試験

2009.10.30

Evaluation of add-on devices for the prevention of phlebitis and other complications associated with the use of peripheral catheters in hospitalized adults: a randomised controlled study


J.A. Martinez*, M. Piazuelo, M. Almela, P. Blecua, R. Gallardo, S. Rodriguez, Z. Escalante, M. Robau, A. Trilla
*University of Barcelona, Spain
Journal of Hospital Infection (2009) 73, 135-142
本研究の目的は、末梢カテーテルの使用に関連する静脈炎およびその他の合併症の予防のためのアドオン器材(add-on device)の役割を評価することである。感染症病棟に入院し24時間以上の末梢カテーテル留置を要した患者を、アドオン器材使用群と非使用群に無作為に割り付けた。主要評価項目は静脈炎発生率および全合併症発生率とした。輸液の漏れ、不測のカテーテル抜去、閉塞、断裂を機械的合併症と定義し、生存法による分析を実施した。評価対象としたカテーテル683件中351件をアドオン器材使用群に、332件を対照群に割り付けた。無作為化を行ったにもかかわらず、アドオン器材使用群のほうが高齢であり(P = 0.048)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染率が低く(P = 0.02)、抗菌薬投与歴を有する割合が高かった(P = 0.05)。これらの変数を補正しても静脈炎のハザード比(HR)は有意水準に到達しなかったが[HR 0.95、95%信頼区間(CI)0.7~1.3]、機械的合併症のリスクはアドオン器材使用群のほうが低かった(HR 0.68、95%CI 0.5~0.94)。そのため、全合併症リスクには低下傾向が認められた(HR 0.83、95%CI 0.67~1.01)。機械的合併症あるいは全合併症に対する有益な効果は、カテーテル留置から6日後に認められた。アドオン器材により静脈炎の発生率は低下しないが、機械的合併症を抑制する可能性がある。しかし、全合併症発生率に対するアドオン器材の効果はわずかであり、カテーテルの使用から6日後に初めて認められた。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
本文献には写真がなく、アドオン器材の詳細が不明であるが、説明文によれば延長チューブのようなものである。結論としては静脈炎その他の合併症を減少させる効果がない、あるとしても末梢ラインを6日以上留置する場合(ほとんどないと思われるが)のみである。末梢ラインの静脈炎やその他の合併症を減少させる介入を見つけることはなかなか難しい。

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