新しい病棟における環境細菌叢の変化

2009.09.30

Change in environmental bacterial flora in a new hospital building


K. Narui*, N. Noguchi, N. Matsunaga, Y. Namiki, Y. Yamanaka, Y. Kumaki, J. Suwa, Y. Nasu, M. Koyama, K. Okuyama, K. Utsumi, K. Takazawa, K. Wakasugi, M. Sasatsu
*Tokyo University of Pharmacy and Life Sciences, Japan
Journal of Hospital Infection (2009) 73, 24-33
新築病棟の微生物叢の変化を調査するために、環境細菌の微生物サーベイランスを実施した。2002年から2005年に、床とシンクの空中細菌および表面付着細菌を系統的に収集した。使用頻度の高い床から採取した分離株数は、使用頻度の低い床と比較して有意に多かった。新館開業から8か月から11か月後に、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の著しい増加、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)の出現、グラム陰性桿菌の菌種の変化が認められた。さらに、パルスフィールド・ゲル電気泳動法(PFGE)によるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)および緑膿菌のタイピングから、複数のシンクと床、および隣接する旧館から採取した分離株が同じPFGEグループに属することが示された。新館から採取したMRSA分離株数は経時的に増加した。同一のPFGE型を有する緑膿菌株が分離されたシンクは、共通の配水管でつながっている。人の動きは、細菌叢および細菌の拡散に大きな影響を及ぼす。
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監訳者コメント:
施設内に生息する病原菌は、意外と幅広くダイナミックに施設環境に蔓延していることを証明しており、既報と同様の結果が得られている。

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