2000年から2007年の小児病棟における水痘・帯状疱疹ウイルス曝露:経口アシクロビルによる安全かつ有効な曝露後予防★★
Varicella zoster exposure on paediatric wards between 2000 and 2007: safe and effective post-exposure prophylaxis with oral acyclovir
M. Shinjoh*, T. Takahashi
*Keio University, Japan
Journal of Hospital Infection (2009) 72, 163-168
水痘・帯状疱疹ウイルスは感染性が強く、免疫不全患者に重篤な合併症を引き起こす恐れがある。当院では同ウイルスへの曝露を受けた患児が水痘の二次感染症を発症するのを予防するため、2000年から曝露後予防として経口アシクロビルを使用している。2000年から2007年に当院の小児病棟では、予期しない水痘発症が11例、予期しない帯状疱疹発症が11例にみられた。接触者は174例で、水痘への曝露131例、帯状疱疹への曝露43例であった。合計163例(94%)が曝露後予防投与を受け、11例(6%)は予防投与を受けなかった。アシクロビルのみの予防投与を受けた接触者の二次感染症発症率は、全接触者2.1%(141例中3例)、免疫不全の接触者で1.3%(76例中1例)であった。曝露後予防投与を受けなかった接触者の二次感染症発症率は有意に高かった(18%、11例中2例)(P<0.05)。曝露後予防投与による有害事象の報告はなかった。結論として、小児病棟における水痘・帯状疱疹ウイルス曝露後の経口アシクロビルによる曝露後予防は、安全かつ有効である。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
アシクロビルによる水痘の曝露後予防(PEP)の効果についての論文である。従来からのPEPとしては、72時間以内のガンマグロブリン投与や水痘ワクチン接種が推奨されていた。水痘については、合併症として致命的なものが少ないことから、英国では水痘ワクチンそのものが普及していない。ガンマグロブリンは効果が低く、血液製剤を使用するリスクもある。よって抗ウイルス薬によるPEPが望ましいが、抗ウイルス薬は抗菌薬に比べて一般的に副作用が強いことから、今までPEPとしての使用に躊躇していた。しかしほとんどの症例で発病を防げたことから、今後は有力な選択肢として期待できる。副作用については、もう少し長期的に多数の症例でみていく必要があると思う。
同カテゴリの記事
Triclosan-tolerant bacteria: changes in susceptibility to antibiotics
Surgical site infections linked to contaminated surgical instruments
Active surveillance cultures: comparison of inguinal and rectal sites for detection of multidrug-resistant bacteria
Nosocomial infection surveillance and control: current situation in Spanish hospitals
Spatial and sociodemographic factors associated with surgical site infection rates in hospitals in inner São Paulo State, Brazil
A.G.M.L. Carvalho*, D.C. Limaylla, T.N. Vilches, G.B. de Almeida, G. Madalosso, D.B. de Assis, C.M.C.B. Fortaleza
*São Paulo State University, Brazil
Journal of Hospital Infection (2021) 108, 181-184
