エストニアにおける院内血流感染の疫学

2009.04.30

Epidemiology of nosocomial bloodstream infections in Estonia


P. Mitt*, V. Adamson, K. Loivukene, K. Lang, K. Telling, K. Paro, A. Room, P. Naaber, M. Maimets
*Tartu University Hospital, Estonia
Journal of Hospital Infection (2009) 71, 365-370
院内血流感染(BSI)の調査およびBSIサーベイランスの促進を目的として、2004年から2005年にエストニアにおいて多施設の前向き全病院的サーベイランス研究を実施した。2か所の紹介病院と1か所の中央病院の急性期ケア部門の全患者を対象とした。合計549件のBSIが患者507例で発生した(1,000患者日あたり0.6件)。このうち55%は集中治療室で発生し、47%はカテーテル関連感染であった。BSIの症例のうち24%は血液悪性腫瘍患者に生じていた。院内致死率は31%であった。原因菌のうち315件(53%)はグラム陽性好気性菌、232件(39%)はグラム陰性好気性菌、35件(6%)は真菌であった。嫌気性菌の割合は2%であった。頻度の高かった病原菌はコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(26%)、腸内細菌科細菌(24%)、腸球菌(13%)、およびシュードモナス属菌(10%)であった。BSIの8%は複数菌によるものであった。また、黄色ブドウ球菌分離株の7%がメチシリン耐性菌であった。シュードモナス属菌分離株の耐性菌の割合は、セフタジジム19%、メロペネム25%、タゾバクタム・ピペラシリン30%、およびイミペネム44%であった。BSI発生率は、他の既報の研究と有意な差は認められなかった。シュードモナス属菌の抗菌薬耐性率が比較的高いことを除いて、エストニアの院内BSIの病原菌の全体的な耐性パターンは北欧諸国と同様であり、中欧および南欧よりも低かった。本研究は、エストニアの病院でサーベイランスを計画し、実施するにあたって有用である。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
エストニアのBSIに関する研究。主に臨床検体分離菌に関する検討を加えている。著者自身も書いている通り、既報の論文とさほど差違はなく、同国の現状を明らかにしたという位置づけにとどまるであろう。

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