国別にみたカテーテル関連血流感染発生率:ヨーロッパHELICSプロジェクトに参加した全国サーベイランスネットワークにおける実際★

2009.01.31

National influences on catheter-associated bloodstream infection rates: practices among national surveillance networks participating in the European HELICS project


S. Hansen*, F. Schwab, M. Behnke, H. Carsauw, P. Heczko, I. Klavs, O. Lyytikainen, M. Palomar, I. Riesenfeld Orn, A. Savey, E. Szilagyi, R. Valinteliene, J. Fabry, P. Gastmeier
*University Medicine Berlin, Germany
Journal of Hospital Infection (2009) 71, 66-73
この研究は、HELICS(Hospitals in Europe Link for Infection Control through Surveillance;サーベイランスによる感染制御のためのヨーロッパ連携に参加する病院群)プロジェクトの一環として、欧州の集中治療室(ICU)での中心静脈カテーテル関連血流感染発生頻度と、施設特性および日常業務との関連を評価することを目的として実施された。2004年の全国病院感染サーベイランスネットワークに参加したICUに対して質問票を送付した。全国ネットワークには、2003年から2004年まで期間に参加したICUにおける中心静脈カテーテル関連血流感染発生率を照会した。単変量および多変量リスク因子解析を実施して、中心静脈カテーテル関連血流感染発生率に対する影響が最も大きい業務を判定した。10か国の526のICUから施設特性と業務に関するデータが返送され、その結果、ケアには大きなばらつきがみられることが示された。中心静脈カテーテル関連血流感染発生率のデータも5か国の288のICUから提供された。これを受けて、のべ1,383,444患者・日、のべ969,897中心静脈カテーテル・日、および中心静脈カテーテル関連血流感染症例1,935例を解析対象とした。補正ロジスティック回帰分析により、各国のカテゴリー変数(中心静脈カテーテル関連血流感染発生率が最も低い国を基準として、オッズ比(OR)2.3、95%信頼区間(CI)0.5~10.2からOR 12.8、95%CI 4.4~37.5の範囲)および大学病院(OR 2.08、95%CI 1.02~4.25)が、中心静脈カテーテル関連血流感染発生率が高いことの独立リスク因子であった。中心静脈カテーテル関連血流感染に対する予防策、監視方法、および中心静脈カテーテル関連血流感染推定発生率には、欧州の各国間でもかなりのばらつきがあった。文化的、社会的、および法的背景の相違は、医療システムの相違とともに、このばらつきを説明する重要な因子である。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
本来的に医療関連感染症サーベイランスは現場におけるケアの実践レベルを保証するための継続的質改善活動である。サーベイランスの結果として得られた発生率を他施設と比較するためのベンチマークとして使用する場合、それぞれの現場で医療がどのような背景で実践されているのかを考える必要がある。

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