家畜との接触がある医療従事者におけるMRSA保菌

2008.10.31

MRSA carriage in healthcare personnel in contact with farm animals


M.W.H. Wulf*, E. Tiemersma, J. Kluytmans, D. Bogaers, A.C.A.P. Leenders, M.W.H. Jansen, J. Berkhout, E. Ruijters, D. Haverkate, M. Isken, A. Voss
*PAMM Laboratory for Medical Microbiology, The Netherlands
Journal of Hospital Infection (2008) 70, 186-190
オランダでは、ブタとの接触がある人は一般集団と比較してメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)保菌リスクが高いことが示されている。Multilocus sequence type(MLST)法によるタイピングでST398に相当するspa型に近縁の分離株がブタ飼育場従事者、ブタの獣医、およびブタから検出された。本研究の目的は、ブタや食用子ウシなどの家畜との接触が、オランダの医療従事者のMRSA保菌の危険因子であるかどうかを検討することである。4か所の総合病院と1か所の大学病院の医療従事者に対して、動物との接触に関する質問票の記入、および咽喉と鼻孔のMRSA培養を依頼した。家畜と接触のある医療従事者については全員の培養を行い、家畜と接触のない医療従事者のサンプルを対照とした。医療従事者1,721名のうち77名(4.4%)がブタおよび/または食用子ウシと直接的または間接的な接触があると報告し、145名がその他の家畜との接触を報告した。ブタまたは食用子牛接触群のMRSA保菌率は1.7%、対照群は0.15%であった。他の家畜との接触がある医療従事者には保菌者はいなかった。オランダのガイドラインによると、農村住民集団に医療を提供しているオランダの病院の医療従事者のうち、推定3%はMRSA保菌の高リスク群に属する。家畜と接触のある医療従事者のMRSA保菌率はその他の医療従事者と比較して10倍高かったが、この差は統計学的に有意ではなかった。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
商業立国であると同時に、名だたる農業国であるオランダでは、院内感染についての疫学調査も非常にintensiveに実施されており、疫学的調査に基づいたMRSA保菌のリスクファクターをもとに基準を作成し、国全体でMRSAのsearch & destroyを実施している。養豚家に市中型MRSAが高頻度に分離された後から、このような興味深い研究がされたとのことである。

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Journal of Hospital Infection (2021) 112, 108-113

 

 

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*Faculty of Medicine and University Hospital Cologne, Germany

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*King’s College Hospital, UK

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