ドライミスト発生装置を用いた過酸化水素による環境中のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の消毒

2008.09.30

Environmental meticillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) disinfection using dry-mist-generated hydrogen peroxide


M.D. Bartels*, K. Kristoffersen, T. Slotsbjerg, S.M. Rohde, B. Lundgren, H. Westh
*Hvidovre Hospital, Denmark
Journal of Hospital Infection (2008) 70, 35-41
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は世界中の病院で重大な問題となっている。手指衛生はMRSA伝播の制御に不可欠であると認識されているが、無人の病院環境におけるMRSAのリザーバの役割についてはほとんど知られていない。2か所の実験的病院環境および2件のフィールド試験で、ドライミスト発生装置SterinisRで散布した過酸化水素蒸気によるMRSAに対する効果を評価した。SterinisRによる消毒工程の前後に、ディップスライドを用いてMRSAの検出と定量を実施した。第一の実験的病院環境では、MRSAの4流行株を5か所に接種し、1週間放置した。すべての菌株が1週間生存したが、消毒後には生存は認められなかった。第一のフィールド試験では、MRSA陽性患者の多い診療科の布張りの椅子14脚を、閉め切った部屋に1か月間放置した後に消毒を行った。14脚中4脚の布張り部分にMRSAが検出されたが、3脚は消毒直後、残りの1脚は24時間後にMRSA陰性となった。第二のフィールド試験はMRSA陽性の4人家族の自宅で実施した。MRSA陽性の場所が1か所見つかったが、SterinisRによる複数回の消毒工程後も依然として陽性であった。SterinisRは実験的病院環境および布張りの椅子のMRSAには有効であるが、重度のMRSA保菌患者の自宅では無効であることが判明した。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
ドライミスト発生装置SterinisRで散布した過酸化水素蒸気の性能評価の論文である。消毒薬においてはいずれも、水準のほかに有機物に対する消毒能力の差が大きな因子である。一方で、人体に対する影響も絶えず検証する必要がある。

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