大学病院の給水システムで長期間の二酸化塩素処理後に分離されたLegionella pneumophila血清群1分離株の分子疫学★

2008.06.30

Molecular epidemiology of Legionella pneumophila serogroup 1 isolates following long-term chlorine dioxide treatment in a university hospital water system


B. Casini*, P. Valentini, A. Baggiani, F. Torracca, S. Frateschi, L. Ceccherini Nelli, G. Privitera
*Universitaria Pisana, Italy
Journal of Hospital Infection (2008) 69, 141-147
本論文では、ピサ大学病院(イタリア)の給水システムに適用した5年間のモニタリングプログラムの結果を報告する。このプログラムの目的は、飲料水システムへのレジオネラ(Legionella)属菌の定着を制御するための総合的な給水安全プランの効果を評価することである。給水ネットワーク中のレジオネラ菌の生態に対する安全プランの効果の評価は、持続的な二酸化塩素処理の実施前と実施中に分離したレジオネラ菌株の遺伝子多様性および塩素感受性を調べることにより行った。水の超塩素処理(hyperchlorination)を45カ月間実施した後も、Legionella属菌は依然として存在していたが、陽性の給水箇所は79.4%減少した。103 cfu/Lを超えるサンプルは83.8%減少し、平均菌数は94.6%の減少を示した。分離株の多くはレジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)血清群1であった(全体の陽性率161/423、38%)。空間的・時間的基準に基づいて選択した分離株61株(陽性サンプルの37.9%)の分子タイピングを行った。その結果、3種類のL. pneumophila Wadsworthの流行型が病院環境内で循環および持続していることが判明し、これらは特徴的な対立遺伝子および電気泳動プロファイルと、異なる塩素感受性を示した。この2種類のうち1種類は優勢で、衛生管理レジメン実施前から存在しており、別の1種は水処理開始から3年後に分離され、両種とも塩素耐性であった。二酸化塩素はL. pneumophila根絶には効果がなかったが、採用したリスク管理プランは院内レジオネラ症の症例のさらなる発生を予防したと考えられた。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
異なる水質管理基準を用いている国の文献ではあるが、水道水の汚染に対する警鐘およびその管理方法に関する示唆を与えてくれる論文である。

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