ドイツの放射線科医における潜在性結核感染症有病率★

2008.05.30
☆

Prevalence of latent tuberculosis infection in German radiologists


V. Barsegian*, K.D. Mathias, P. Wrighton-Smith, H. Grosse-Wilde, M. Lindemann
*Klinikum Dortmund, Germany
Journal of Hospital Infection (2008) 69, 69-76
医療従事者は一般集団と比較して結核感染のリスクが高い。現行のツベルクリン反応検査(TST)には問題があり、ドイツの医療従事者の潜在性結核の有病率を算出する試みはほとんど行われていない。そこで本研究は、結核特異的ELISpot(T-SPOTR.TB)法を用いて、このコホートにおける潜在性結核の有病率を調査すること、およびこの方法による診断能力をTSTと比較することを目的とした。放射線科に勤務する健常被験者95名をELISpot法、リンパ球幼若化検査、およびTSTで調べた。細胞のin-vitro検査では、結核特異的ペプチドおよび精製ツベルクリン(PPD)を抗原として用いた。これらの検査と結核曝露歴についての質問票を組み合わせた。医療従事者95名のうち、T-SPOT.TB陽性は1例(1%)のみであり、PPD-ELISpot法では92例(97%)、PPD-リンパ球幼若化検査では78例(82%)、TSTでは32例(34%)が陽性であった。多変量解析により、TSTの成績は外国での出生および過去のTST実施歴に有意な影響を受けたことが示された(それぞれP<0.0001、P=0.001)。T-SPOT.TB検査の成績は、外国での出生、TST歴、および結核ワクチン接種歴とは独立していた。TSTとは対照的に、T-SPOT.TBは今回のようなリスク集団の結核感染を検出するうえで精度の高い有用な手段であると考えられる。潜在性結核感染の状態だったのは被験者95名中1例のみであり、今回の予備的結果は、ドイツの放射線科医における潜在性結核の発生率が低いことを示している。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
日本国内ではクォンティフェロンTB法がよく知られるようになった。ELISpot法も測定原理は類似している。日本は結核の有病率・罹患率が先進国の中でとくに高く、ツベルクリン反応(TST)にかわるスクリーニング検査が強く望まれている。

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