熱帯地方の三次病院におけるLegionella pneumophila除去のために病院浄水設備の取水部(point-of-entry)に設置した銅-銀イオン化システムの有効性:温水と冷水の両方がレジオネラ菌に汚染された病院での効果★

2008.02.28

Survival of Clostridium difficile on copper and steel: futuristic options for hospital hygiene


Y.S. Chen*, Y.E. Lin b, Y.-C. Liu, W.K. Huang, H.Y. Shih, S.R. Wann, S.S. Lee, H.C. Tsai, C.H. Li, H.L. Chao, C.M. Ke, H.H. Lu, C.L. Chang
*Kaohsiung Veterans General Hospital, Taiwan, ROC
Journal of Hospital Infection (2008) 68, 152-158
台湾南部の医療施設で、配水システムが感染源と考えられる院内感染レジオネラ症のアウトブレイクが発生した。2回にわたる加熱処理とフラッシュ洗浄の実施後も、病棟および集中治療室(ICU)の末端箇所のレジオネラ菌陽性率は、それぞれ14%、66%であった。温水システムおよび冷水システムの内部のレジオネラ菌定着を制御するために、銅-銀イオン化システムを導入した。環境培養およびイオン濃度検査を実施し、イオン化の効果を評価した。イオン化システム作動後3カ月間のレジオネラ菌陽性率は、イオン化システムを設置した建物の病棟(20%、ベースライン時30%)およびICU(28%、ベースライン時34%)ともに有意な変化が認められなかったが、レジオネラ症予防の任意に定めた目標である30%は下回った。しかし、4カ月から7カ月目には、イオン濃度が上昇するとレジオネラ菌陽性率は病棟で平均5%(P=0.037)に、ICUで平均16%(P=0.037)に有意に低下した。レジオネラ菌陽性率はさらに病棟0%、ICU平均5%まで低下したが、イオン化システムを設置していない建物では依然として50%の箇所で陽性であった。試験期間中、レジオネラ菌は完全には除去されなかったが、培養または尿検査で確認された院内感染レジオネラ症の報告はなかった。イオン化システムは温水、冷水のいずれのレジオネラ菌の制御にも有効であり、レジオネラ菌に対する病院浄水設備の取水部での系統的な消毒方法として興味深い代替法である可能性がある。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
先ほどの銅と同じく、抗菌作用のある金属の効用を活かした工夫である。筆者はあまりディスカッションしていなかったが、盲端が多い配管デザインは、レジオネラの温床となりやすいため、なるべく盲端を少なくする工夫も大切である。

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*Cardiff University, UK
Journal of Hospital Infection (2020) 106, 757-764

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