2003年から2004年の英国の内視鏡汚染除去事故

2007.12.31

Endoscope decontamination incidents in England 2003-2004


H.P. Gamble*, G.J. Duckworth, G.L. Ridgway
*Health Protection Agency, London, UK
Journal of Hospital Infection (2007) 67, 350-354
2004年5月の内視鏡汚染除去事故の報告後に、内視鏡対策委員会(Endoscope Task Force)が設立された。対策委員会は、2003年から2004年の英国の内視鏡汚染除去事故を調査し、再発防止のための勧告を行った。19の国民健康サービス(NHS)トラストから21件の事故の報告があり、このうち18件が対策委員会の事故の定義に合致した。補助内視鏡チャンネルの汚染除去不成功が8件の事故にかかわっており、自動内視鏡洗浄装置の問題が7件の事故で浮き彫りになり、残る3件では英国消化器病学会(British Society of Gastroenterology)のガイドラインが推奨していない消毒方法がかかわっていた。血液媒介ウイルス伝播のリスク評価後に、対策委員会は遡及調査は不要との勧告を行った。事故の特性から、内視鏡汚染除去に対する役割と責任の明確化、職員の訓練、および内視鏡と洗浄装置との不適合性に関連する問題があることが示唆された。これに続いて、英国医薬品庁(Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency)は、内視鏡検査を実施しているすべてのNHSトラストに対して勧告を行った。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
英国の内視鏡汚染除去事故の現状が把握できる。国としてのこのような対応は、個々の医療従事者レベルでは参考にならないかもしれないが、日本も国レベルで見習うべき方法なのかもしれない。

同カテゴリの記事

2017.11.30

The association between infection control interventions and carbapenem-resistant Enterobacteriaceae incidence in an endemic hospital

2021.11.30
Three-year hand hygiene monitoring and impact of real-time reminders on compliance

F. Huang*, S. Boudjema, P. Brouqui
*Aix Marseille Université France

Journal of Hospital Infection (2021) 117, 111-116


2020.03.31

Persistence of coronaviruses on inanimate surfaces and their inactivation with biocidal agents

G. Kampf*, D. Todt, S. Pfaender, E. Steinmann
*University Medicine Greifswald, Germany
Journal of Hospital Infection (2020) 104, 246-251

 

 

2023.11.30
Qualitative analysis of healthcare provider perspectives to evaluating beta-lactam allergies

M.P. Gray*, N. Dhavalikar, R.D. Boyce, S.L. Kane-Gill
*University of Pittsburgh School of Pharmacy, USA

Journal of Hospital Infection (2023) 141, 198-208




JHIサマリー日本語版サイトについて
JHIサマリー日本語版監訳者プロフィール
日本環境感染学会関連用語英和対照表

サイト内検索

レーティング

アーカイブ