病院環境における非結核性抗酸菌の保菌率
Prevalence of non-tuberculous mycobacteria in a hospital environment
J.H. Shin*, E.J. Lee, H.R. Lee, S.M. Ryu, H.R. Kim, C.L. Chang, Y.J. Kim, J.N. Lee
*Inje University, Korea
Journal of Hospital Infection (2007) 65, 143-148
近年、非結核性抗酸菌(NTM)は、日和見院内感染の重大な原因に浮上しているが、韓国ではNTMの分離および同定については、ほとんど知られていない。本研究の目的は、病院環境におけるNTMの分布率を推計し、菌種を同定することである。病院の異なる区域から合計150サンプルを収集した。NTMの分離および同定を、rpoB※をコードする遺伝子の制限酵素断片長多型解析(RFLP)およびhsp65とrpoBの部分塩基配列解析により行った。本研究では、150サンプル中50サンプルから60株のNTM株を分離した。水道水サンプルの半数(50/100)が抗酸菌陽性であった。分離株の73.3%が腐生性であり、21.7%が病原性を有する可能性があり、5%は不明であった。病院の水道水におけるNTMの存在はまれではない。そのような水道水からの分離株は、培養偽陽性となるリスクがあるとともに、免疫低下患者に実際に院内感染をもたらす可能性がある。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者注:
※rpoB:RNAポリメラーゼB(RNA Polymerase B)の略。
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