環境表面からのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の各種回収法の評価
An evaluation of different methods for the recovery of meticillin-resistant Staphylococcus aureus from environmental surfaces
P. Obee*, C.J. Griffith, R.A. Cooper, N.E. Bennion
*University of Wales Institute, UK
Journal of Hospital Infection (2007) 65, 35-41
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に汚染された環境表面と院内感染率との関連は完全には解明されていないが、監視プログラムは、清掃法の改善を含む感染管理戦略の開発と評価の客観的な出発点となり得る。しかし、環境表面MRSAを回収するための広く受け入れられた方法は存在していないため、本研究では、現時点で実施可能な方法の選択について評価することを目的とした。5つのMRSA臨床分離株および7つのプロトコールを使用して、一定数の細菌をステンレス表面に接種し、直後(乾燥および吸着なし)または30分後(室温での乾燥および表面への細胞の吸着あり)に回収した。表面のスワブ採取または接触法による直接サンプリングを行い、4種類の栄養培地(血液、トリプトンソーヤ、オキサシリン、メチシリン耐性寒天)で試験を行った。相対的なサンプリング効率を測定し、各方法の100 cm2あたりの感受性を算出した。プロトコール間でMRSAの回収能に大きなばらつきが認められた。乾燥(吸着)細胞の回収では、直接接触法がスワブ採取法よりもサンプリング効率が高いことが示された。表面からの回収の感度は、すべての方法において、吸着細胞のほうが非吸着細胞よりも低かった。サンプリング法は、どの条件でも培地の選択より重要であることが証明された。選択寒天培地でコーティングしたディップスライドが、平板な環境表面からのMRSA回収に推奨される。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
選択培地そのものも重要であるが、サンプリングの際の方法が大きく結果に影響することを改めて証明した論文である。検査材料採取する手技者の教育の重要なことは言うまでもない。
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