大学病院入院時に診断されたClostridium difficile関連下痢症の疫学および発生率★

2007.01.31

Epidemiology and incidence of Clostridium difficile-associated diarrhoea diagnosed upon admission to a university hospital


M.F. Price*, T. Dao-Tran, K.W. Garey, G. Graham, L.O. Gentry, L. Dhungana, H.L. DuPont
*St. Luke’s Episcopal Hospital, USA
Journal of Hospital Infection (2007) 65, 42-46
Clostridium difficile関連下痢症(CDAD)の患者は、最初に市中で症状が発現し、その後の入院時に診断を受ける可能性がある。米国には現在、国としてのCDADのサーベイランスシステムおよび標準化された症例定義はなく、CDADの発生率や疫学に関する基本データは少ない。本研究の目的は、第3次病院におけるCDADの発生率を報告し、入院から48時間以内に診断された症例の疫学を、入院後48時間以降に診断された院内感染CDADの症例と比較することである。平均発生率は、入院時CDADは4.0例/10,000患者・日、院内感染CDADは7.0例/10,000患者・日であった。院内感染CDAD発生率と比較した入院時CDAD発生率には有意差がみられたが(P=0.017)、いずれの発生率も経時的な変化は観察されなかった。全体では、症例の44%が入院時CDADであり、56%が院内感染CDADであった。入院時CDAD患者のうち56例(62%)は過去90日以内に同じ病院に入院しており、24例(27%)は別の病院に入院していた。入院前90日間にいかなる医療サービスも受けていなかった患者は、わずか8例(9%)であった。医療関連CDADの標準化された症例定義に、入院歴を加えるべきである。入院を判断する医師は、医療施設への入院歴の有無を問わず、下痢症の入院患者の鑑別診断においてはC. difficileを考慮すべきである。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
米国では平均在院日数の減少とともに、在宅医療や病院と在宅の中間的なケアを行う医療環境が増え、抗菌薬療法をはじめとするCDAD発症の要因が院内だけにとどまらなくなってきている。包括医療制度の浸透とともに、わが国においても医療制度の多様化とともに、こうした課題とその対策を必要とする時代が来るかもしれない。医療機関同士で患者が行き来する状況はすでに日常的であり、こうした観点からのCDAD対策も重要である。

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