救急部におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌制御プログラムに基づく選択的スクリーニングの影響

2006.08.31

Impact of selective screening in the emergency department on meticillin-resistant Staphylococcus aureus control programmes


M. Eveillard*, C. Leroy, F. Teissiere, E. Lancien, C. Branger, A. de Lassence, M.-L. Joly-Guillou, P. Brun
*Hopital Louis Mourier (AP-HP), France
Journal of Hospital Infection (2006) 63, 380-384
積極的なスクリーニングによりメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のリザーバを特定し、その後、接触予防策を実施することは、MRSA制御プログラムの主要な要素である。本研究の目的は、救急部における選択的スクリーニングプログラムの結果と、実施した接触予防策の妥当性を評価することであり、その評価は接触予防策の必要だった日と不必要だった日を識別することにより行った。またこの評価は、接触予防策の全実施日、およびより正確には、スクリーニングの結果が得られる前から実施した予防的な接触予防策の実施日について行った。3年の研究期間中に、救急部を訪れた患者の0.95%(605例)に対して、MRSA保菌のスクリーニングを実施した。MRSA保菌者と判定された193例(31.9%)のうち、159例は救急部または別の病棟の短期入院エリアに入院していた。短期入院エリアに受け入れた140例のうち、44例は48時間以上入院し、平均入院期間は5.9日であった。スクリーニングにより保菌者と判定された患者の累積入院期間は1,897日であった。全体では、救急部でスクリーニングを受けた患者に対して2,370日の接触予防策(予防的な予防策924日を含む)を実施した。病院全体では、救急部でスクリーニングを受けた患者に対する当接触予防策プログラム全体の妥当性は80.0%(短期入院エリアでは52.1%)であったが、予防的隔離日数に限定した妥当性は48.6%(短期入院エリアでは43.6%)であった。本研究は、短期入院エリアにおけるMRSA交差伝播のリスクと、救急部で保菌者をスクリーニングする制御プログラムの有効性を強調するものである。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
介護施設や長期療養型施設から入院となったすべての患者について積極的にスクリーニングを行い、スクリーニング結果がでるまでの間にもMRSA保菌者と仮定しての積極的に接触予防策の実施を推進していくことをプログラムの骨子としている。しかしながら、予防的隔離日数における妥当性は、職員の意識を反映して低くなっている。本研究では、伝播の実際についての解析がなされていないために、正当な評価がされているとは言い難いが、予算と人材が限られている施設では、参考にできる部分もある。

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