集中治療室での手指衛生に必要な時間:医療従事者と集中治療患者との接触回数に関する熟練観察者による前向き研究 ★
How much time is needed for hand hygiene in intensive care? A prospective trained observer study of rates of contact between healthcare workers and intensive care patients
F.I. McArdle*, R.J. Lee, A.P. Gibb, T.S. Walsh
*Edinburgh Royal Infirmary, UK
Journal of Hospital Infection (2006) 62, 304-310
医療従事者と集中治療室(ICU)の患者との接触(直接接触)回数および医療従事者と患者の周辺環境との接触(間接接触)回数、または手指衛生遵守が100%に到達するために要する時間の推定値を評価したデータはほとんどない。内科および外科患者の入室数が年間600例を超える英国の12床の成人用一般ICUにおいて、熟練観察者による前向き研究でこれらの評価を実施した。全12床を、1日のうちで同じ時間観察するように設定した計画に基づいて、調査者1名がICUのベッドスペースの医療従事者を1回1時間ずつ観察した。医療従事者とICU患者との直接接触回数および間接接触回数の1日の平均値を算出した。また、接触を認めた後の手指衛生遵守を評価した。接触前の手指衛生の有無別にみた1日の接触回数、および手指衛生遵守100%に要する1日あたりの時間の推定値を算出した。平均して、各患者の直接接触は159回/日[95%信頼区間(CI)144~178]、間接接触は191回/日(95%CI 174~210)であった。接触後の手指衛生率は、直接接触43%、間接接触12%であった。患者間で感染を伝播するリスクが高い、日常のケアの最中に複数の患者に接触した職員においては、患者1例あたりの適切な手指衛生なしでの平均接触回数は、直接接触22回/日、間接接触107回/日であった。全医療従事者が手指衛生遵守100%に到達するためには、約230分/患者/日(直接接触100分、間接接触130分)が必要と考えられた。
サマリー 原文(英語)はこちら
監訳者コメント:
根気のいる研究である。それにしても、医療従事者が100%を達成するには手指衛生に230分とは驚愕である。アルコールベースの擦り込み式手指衛生剤を用いた場合、毎回処置前のみの手指衛生で患者1人当たり1日で40分、前後にするとその倍の80分必要であると本文に併記されている。
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