過酸化水素エアロゾル消毒薬による室内、医療器具、救急車のコンタミネーションの除去 ★
Decontamination of rooms, medical equipment and ambulances using an aerosol of hydrogen peroxide disinfectant
B.M. Andersen*, M. Rasch, K. Hochlin, F.-H. Jensen, P. Wismar, J.-E. Fredriksen
*Ulleval University Hospital, Norway
Journal of Hospital Infection (2006) 62, 149-155
5%過酸化水素(H2O2)消毒薬の乾燥ガスを発生させるプログラム制御装置(Sterinis、Gloster Sante Europe社)による室内、救急車、および様々なタイプの医療器具のコンタミネーションの除去について試験を行った。部屋および車庫の容積に合わせて、既定の濃度を設定した。接触時間を徐々に増加させながら、3サイクル実施した。Bacillus atrophaeus(以前はBacillus subtilis)Raven 1162282の芽胞を用いて実験を反復し、コンタミネーションの除去効果をコントロールした。サンプリング計画に基づいて芽胞試験紙(spore strips)を室内と救急車内の様々な位置、医療器具の内部および外部に置いた。3サイクル実施した場合にコンタミネーションの除去が有効であったのは、閉鎖した被検室で146芽胞検査中87%、手術室で48芽胞検査中100%であった。1または2サイクルでは効果は認められなかった。医療器具の内部での殺芽胞効果はわずか62.3%(220検査)であった。コンタミネーションの除去中に装置を作動させ通気していた場合、室内に置いた芽胞試験紙の100%(57/57)でコンタミネーションの除去が確認された。救急車の中では、器具、装置、グローブボックス、アンダーマットレス、および運転席へのH2O2の浸透は3サイクルの場合100%(60/60)であったが、1または2サイクルの場合、効果は低かった。結論として、H2O2乾燥燻蒸消毒システムを室内、救急車、通気中の器具の外部および内部で3サイクル作動させると、良好な殺芽胞効果が得られるようである。H2O2の濃度、接触時間、およびサイクル数に関してさらなる研究が望まれる。このことは、コンタミネーションの除去の工程で通気できない医療機器の内部については、特に重要である。
サマリー 原文(英語)はこちら
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