クロストリジオイデス・ディフィシル(clostridioides difficile)感染症患者における再発および死亡の予測モデル:システマティックレビューおよびメタアナリシス
Prediction models for recurrence and mortality in patients with clostridioides difficile infection: a systematic review and meta-analysis Q. Wei*, Y. Cai, G. Lu, Q. Ma, X. Liu, H. Yu, Z. Wang, Y. Li *Northern Jiangsu People’s Hospital Affiliated to Yangzhou University, China Journal of Hospital Infection (2026) 173, 93-110
目的
本研究の目的は、クロストリジオイデス・ディフィシル(Clostridioides difficile)感染症(CDI)患者の再発および死亡に関する予測モデルの方法論的質、予測性能、関連するリスク因子および臨床適用性を系統的に評価することである
方法
PubMed、Web of Science および Cochrane Library において、開始から 2025 年 5 月 5 日までの関連文献を系統的に検索した。研究者 2 名が独立して文献のスクリーニングとデータ抽出を行い、PROBAST ツールを用いてバイアスリスクを評価した。適格なリスク因子についてメタアナリシスを行った。
結果
本研究では、CDI 患者合計 112,640 例を含む、CDI 再発の予測モデル 15 個および CDI 死亡のモデル 10個を評価した。CDI 再発のリスク因子のメタアナリシスでは、いくつかの有意な関連が特定され、中でも特に年齢(MD 2.56、95%CI 0.75 ~ 4.36、P = 0.005)、抗菌薬使用(OR 2.26、95%CI 1.46 ~ 3.48、P = 0.0002)、プロトンポンプ阻害薬(PPI)(OR 2.03、95%CI 1.36 ~ 3.04、P < 0.00001)、炎症性腸疾患(IBD)(OR 1.69、95%CI 1.31 ~ 2.21、P < 0.0001)との関連が認められた。CDI 死亡のリスク因子のメタアナリシスでは、特に免疫抑制(OR 1.83、95%CI 1.28 ~ 2.63、P = 0.001)、白血球数(WBC)(MD 2.55、95%CI 0.29 ~ 4.8、P = 0.03)、Charlson 併存疾患指数(CCI)(MD 2.01、95%CI 0.24 ~ 3.79、P = 0.03)、血中尿素窒素(BUN)(MD 2.49、95%CI 1.47 ~ 3.51、P < 0.00001)およびクレアチニン値(MD 0.68、95%CI 0.19 ~ 1.17、P = 0.007)との関連が認められた。PROBAST + AI を用いて、予測モデル 25 個を、モデル開発の質および検証のバイアスリスクの 2 次元で評価した。12 個のモデルは開発の質が高かった一方、13 個のモデルは検証におけるバイアスリスクが高く、その主な原因は不十分な外的妥当性検証、不完全な性能報告、解析における方法論的限界であった。CDI 再発に関するモデルのほとんどは識別能が最適ではなく、曲線下面積(AUC)の値は概して 0.7 未満であった。一方、CDI 死亡の予測モデルは全体的性能がより高く、優れた識別能(AUC 最大 0.969)を示すものもあった。
結論
現在の CDI 予測モデルは、方法論的欠陥のために臨床的有用性が限られる。今後の取り組みにおいては、方法論的厳密さ、標準化された定義、頑健な外的妥当性検証を優先する必要がある。
監訳者コメント:
※「PROBAST ツール」とは?:予測モデルのバイアスリスク評価ツールのこと。
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