建造環境スチュワードシップ(BESt)—抗菌薬耐性(AMR)アクションプランの欠けている柱

2026.06.17

Built environment stewardship (BESt) — the missing pillar of antimicrobial resistance (AMR) action plans

M. Weinbren*, M. Meda, T. Inkster, M. Gormley, W. Sunder, G. Fucini, L.A. Jurk, J. Hopman
*New Hospital Programme, UK

Journal of Hospital Infection (2026) 172, 36-52

リスクを同定することは、抗菌薬耐性(AMR)に対する取り組みの中心となる。リスクが理解されたら、有効な対策を構築することができる。フローレンス・ナイチンゲールの『病院覚え書(Notes on Hospitals)』(1858)は、患者の転帰に影響を及ぼす、建造環境から生じる重大なリスクを明らかにした最初の出版物であった。AMR は両刃の剣である。多剤耐性病原体(MDRO)は破滅的で治療不可能な感染症を引き起こす一方、医療建造環境内の目に見える標識としても機能し、それまで認識されていなかった発生源や伝播経路を明らかにする。医療における国の AMR アクションプランは、長年にわたり実施されているにもかかわらず、この問題を解決していない。建造環境が AMR 伝播に関与することを示す証拠は増えているが、主流のトレーニングまたは国のガイダンスにはまだ反映されていない。下水からの MDRO アウトブレイクのような、持続的な環境リザーバーから伝播が生じた場合には、標準的な感染予防・感染制御(IPC)の実践では不十分と判明する可能性があり、「water-safe」な(「防水性」の)医療などの新たな解決策が必要である。病原体の伝播を促進する不当な慣行は、適切な設計によって医療従事者を誘導し、継続的なトレーニングの費用を最小限に抑えることで防止することが可能である。本論文で提唱する戦略は、英国の新たな 5 か年 AMR アクションプランに合わせた橋渡しとなる。この統合的アプローチでは、既存の抗菌薬の有効性を維持するだけでなく、将来の抗菌薬も保護するための経路を提供し、微生物と医薬品イノベーションとの間で進行中の「軍拡競争」を根本的に変化させる。この欠陥に対処するには、集学的なアプローチが必要である。IPC においては、環境からの伝播に関する新たな知識を正式に認め、専門のトレーニングや専用ツールに組み込むことが不可欠である。AMR の時代である今、再び『病院覚え書』を更新するときである。

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