クリミア・コンゴ出血熱患者の安全な管理に関する病院の準備および運用上の適応

2026.04.14

Hospital preparedness and operational adaptation for the safe management of Crimean-Congo haemorrhagic fever patients

M. Belhassen-García*, A. Muro, J.L. Muñoz Bellido, M. Alonso-Sardón, J.Á. Martin Oterino, C. Rodriguez Pajares, M. Diez-Cámpelo, A. Lopez Bernus, on behalf of the CAUSA-USAL working group on the Crimean-Congo Hemorrhagic Virus
*Complejo Asistencial Universitario de Salamanca (CAUSA), Spain

Journal of Hospital Infection (2026) 170, 1-8

背景

2014 年に発生したエボラウイルスによる医療緊急事態では、高リスク感染症の管理のために、スペインにおける病院ネットワークの構築が急務であることが浮き彫りになった。現在、スペインにおける土着性の高リスク感染症はクリミア・コンゴ出血熱ウイルス(CCHFV)のみである。2025 年までに、全国で報告された症例 20 例中 10 例(50%)がサラマンカ県で発生していた。これに対応して、サラマンカ大学病院(Complejo Asistencial Universitario de Salamanca[CAUSA])は、CCHFV 感染患者の安全なケアを最適化するために適応過程を実施した。

方法

CAUSA での適応過程について、2025 年までの期間を対象に、後向き記述的研究を実施した。構造、組織、処置および訓練に関連する手段を解析するとともに、特殊な装置の取得についても解析した。

結果

CAUSA は、臨床ケア、診断法、治療的介入および感染予防・制御の特異的なプロトコールを組み込んだ、CCHFV 管理に関する包括的な応答モデルを構築した。適応として、インフラの変更、管理の再編成、継続的なスタッフ訓練、特殊な資源の組込みなどが行われた。CCHFV 患者の管理に関連した院内伝播の症例はこれまでに確認されていない。

結論

CAUSA の経験は、総合病院が、クリミア・コンゴ出血熱患者の安全な管理に適応できることを示している。強い組織的リーダーシップ、学際的な協力および継続的な訓練が、主要な実現要因であった。これらの手段により病院全体の準備と感染制御が強化され、このモデルは、欧州の他の非専門病院にも適用可能であると考えられる。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

本論文は、高度隔離ユニットを欠く一般病院でも、組織的な適応と多職種連携によりクリミア・コンゴ出血熱等の高リスク感染症を安全に管理できることを示した。院内感染ゼロを達成した動線分離や教育プロトコルは汎用性が高く、今後こうした疾患の受け入れを検討する医療機関にとって具体的かつ実践的な準備指針となる。専門施設への転送が困難な事態に備えた地域医療のレジリエンス向上に向け、本知見は極めて有用なモデルであるといえるだろう。

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