術前皮膚消毒のためのポビドンヨードとクロルヘキシジングルコン酸塩の比較:ランダム化対照試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシス

2026.03.07

Povidone iodine vs chlorhexidine gluconate for pre-operative skin antisepsis: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials

A.C.F. de Farias Santos*, F. Valeriano Zamora, L.K.C.S. Galvao, N. dos Santos Pimenta, D.V.S. Cavalcante, J.P.C.E. Almuinha Salles, S. Hira, A.V. Zamora
*City University of São Paulo, Brazil

Journal of Hospital Infection (2026) 169, 167-175

背景

手術部位感染症(SSI)は、依然として医療における課題であり、長期の入院、医療費の増加、死亡を含む有害な患者アウトカムをもたらす。有効な術前皮膚消毒介入として、ポビドンヨード(PVI)やクロルヘキシジン(CHG)などが広く使用されているが、それらの有効性は依然として議論の対象となっている。この空白を埋めるために、本メタアナリシスでは、PVI と CHG の有効性を評価した。

方法

PubMed、Embase および Cochrane のデータベースにおいて 2024 年 6 月までの検索を行い、術前皮膚消毒のための PVI と CHG を比較した研究を特定した。二値アウトカムのオッズ比(OR)と 95%信頼区間(CI)を算出した。変量効果モデルを用い、P < 0.05 を有意とした。データは R Version 4.4.0 を用いて解析し、不均一性は I2 統計量により評価した。

結果

16 件のランダム化対照試験を組み入れた。合計 13,721例の患者が含まれ、そのうち 6,836例(49.8%)が PVI を投与された。CHG と比較して、PVI は深部 SSI の有意ではない減少に関連したが(OR 1.00、95%CI 0.66 ~ 1.50、P = 0.994)、全 SSI(OR 1.25、95%CI 1.06 ~ 1.48、P = 0.007)および表層 SSI(OR 1.67、95%CI 1.25 ~ 2.24、P < 0.001)のリスクの上昇を伴った。

結論

術前皮膚消毒としての PVI により、CHG と比較して、深部 SSI の有意ではない減少が示されたが、全 SSI および表層 SSI のリスク上昇を伴った。このような結果ではあるものの、PVI は、特に資源が限られた環境において、有効な選択肢であることに変わりはない。その使用を最適化し、実臨床における感染予防戦略を改善するためには、さらなる研究が必要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

手術部位感染症(SSI)の予防に対し、有効な術前皮膚消毒介入としてポビドンヨード(PVI)やクロルヘキシジン(CHG)のどちらが望ましい術前皮膚消毒かを評価するために、ランダム化対照試験のシステマティックレビューおよびメタアナリシスを試みた論文である。
SSI の層別化(深部・表層など)の比較により一概に明快な結論はこの検討では得られかったので、さらなる研究が必要であると結論づけている。

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