コロンビアの集中治療室におけるカルバペネム耐性グラム陰性菌の定着状況およびカルバペネム耐性グラム陰性菌感染のリスク因子

2026.02.23

Colonization status and risk factors for infection by carbapenem-resistant Gram-negative bacteria in intensive care units in Colombia

C. Espitia-Acero*, J.C. García-Betancur, E. De La Cadena, C.J. Pallares, N. Restrepo-Arbeláez, E. Patiño-Guevara, M. Coy, M.V. Villegas
*Universidad El Bosque, Colombia

Journal of Hospital Infection (2026) 168, 183-190

背景

カルバペネム耐性グラム陰性菌(CRGNB)は世界中で増加しており、高い死亡率、入院期間の延長、費用の増加をもたらしている。コロンビアは、カルバペネム耐性のホットスポットの 1 つであるが、CRGNB についての集中治療室(ICU)のサーベイランスは限られている。

目的

ICU 入室時におけるカルバペネム耐性菌(CRO)の定着とその後の感染との間の関連を、その他のリスク因子とともに評価すること。

方法

カルバペネム耐性が高いコロンビアの 2 病院で多施設共同前向きコホート研究を実施した。ICU 入室時にCRO定着状況を判定し、感染発症との関連を統計解析に解析した。

結果

ICU の患者の 18.5%(82/442)は、少なくとも 1 つの CRO が定着しており、ICU 入室中に定着がみられたのは 6 例のみであった。最も検出されたのはPseudomonas属(70/106)とKlebsiella属(10/106)であった。分離株の 28.3%がカルバペネマーゼ遺伝子を保有しており、主に blaKPCblaNDM であった。二変量解析では、ICU への再入室(相対リスク4.7、95%信頼区間 1.51~14.57)および ICU 入室前 30 日間における抗菌薬使用(6.4、1.76~23.13)が、細菌感染の発症と関連しており、これは過去の定着状態とは独立していた。

結論

リスク因子保有患者や頻繁に医療機関を受診する患者において、CRO 定着状況を特定することは、ICU 内での効果的な感染制御に極めて重要である。

サマリー原文(英語)はこちら

監訳者コメント

本検討では定着者のその後の感染症発症率や院内伝播に関する検討はされていないため、定着者を調査することによる検査室の負担や検査費、接触予防策の個室隔離や PPE 使用といった費用対効果などが明らかではなく、この研究結果だけでは、ICU 入室時の全例定着スクリーニングを推奨する根拠としては不十分である。しかしながら市中から ICU への持ち込みは医療への影響が懸念されることから、今後より包括的な研究が望まれる。

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